裏稼業で知り合った日本と韓国の青年の、人間的な暖かさを深め合う人間ドラマ、【ノーボーイズ・ノークライ】を見てきた。
妻夫木聡とハ・ジョンウと言う、両国の人気スターが競演している。

韓国・釜山の漁港から小さな船で、日本に麻薬を密輸入する「運び屋」のヒョングと、日本でそれを受け取る「受け取り屋」の亨。
原題に、「The Boat」とあったのは、この小さなボートのことか。

「ヨボセヨ」

と、釜山からのヒョングを出迎える亨。

「ヨボセヨ(もしもし)は電話の時に使う言葉だ。 会った時の挨拶はアンニョハセヨ(こんにちわ)だ」

と、執こく教えるヒョング。
そして、いつしか、静かに絆を深めていった二人だが。

ある日、梱包された、拉致された女性(チス)を運ぶように命令を受けるヒョング。
子供の頃、母親に捨てられ、拾って育ててくれた叔父(?)の社長の命令には避けられず・・・。
渋々、運んでくるのだが・・・。

「お金」の為、組織にはむかい、チスを助けかくまう亨。

「何で、そんなにお金が欲しいのか?」

と、訊ねるヒョングに

「全てを見せるよ」

と、家に連れて行く亨。

そこで、ヒョングが見たものは・・・、
痴呆の祖母と、父親の違う子供3人を産んだ妹一家との壮絶な暮らしぶりだった。
しかも、子供の一人は難病で、手術代金も必要なのだ。

家族を負担に感じ、居なくなれば・・・と、感じる心、愛する心にやりきれない亨。
「自分なら逃げ出している・・・」と、亨の苦悩を理解するヒョング。
孤独や絶望の中で、人間の温もりを深めていく二人。

脚本(渡辺あや氏)が良い所為か、俳優人が良い所為か、小品(?)ながら素敵な映画だった。
ハ・ジョンウ。 「HIT」の検事役で見せた、都会的な洗練されたスタイルと違って、今回はチンピラと言う汚れ役で存在感大だ。
妻夫木くんとの相性もぴったりのように思えた。
カラオケ大会で、二人で歌った、「アジアの純真」には、大いに笑わせてもらった。
帰宅してからも、そのメロディーは頭の中を駆け巡っていた。(笑)

今回は、妻夫木君には分が悪い役のように思えた。
綺麗な童顔の彼には、汚れ役が馴染めないように感じた。
あの宝石のような漆黒の瞳が勿体無い・・・。

思っていた以上に良い映画で、評価は★★★★。
家族が負担に思えること、誰しも、少しはあるだろう・・・。
私も・・・。


コメント

せきやん
2009年9月3日11:50

大正・戦前が持ち歌オハコなんですが・・
このろれつ廻りそうにない絶叫調子の
45回転ドーナツ盤を38回転にしたような回転間違いかと蓄音機に慌ててるような「アジアの純真」・・
爺の持ち歌デ~ス
・・大いに笑わせてもらった。・・どこではないでしょうネ

アミ
2009年9月3日12:50

★せきやんさん!

なかなか、ノリの良い音楽でした。
せきやんさんも、隅に置けませんね~!
これが持ち歌だなんて・・・。(笑)

菜乃
2009年9月4日0:35

タイトルが的を得過ぎてつい、コメント
そして、私もそれ、見たい気分になったです。
いつも文章で私を目覚めさす、あみさん、やっぱり素敵ですね、
わたしの 駄文にもいつもおつきあいいただいてありがとうございます。

アミ
2009年9月4日5:27

★菜乃さん!

興行的には成功なのか、分かりません。 小さな小さな劇場で放映されてます。
いわゆる韓流ファンのおば様にも、妻夫木くんファンの方にも、意外な思いを抱かれるかも知れません。
でも、人間の持つ、「やりきれない気持ち」って、誰にもあるでしょう~?
誰が悪いわけでもないのに、どうしようもないのに、腹が立って腹が立って・・・。
ハ・ジョンウ。 決してハンサムではないのに、惹かれます。(笑)

いつも、讃辞(?)を有難う! 嬉しいです~♪

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索