夏時間の庭

2009年6月11日 映画
予告編で見た時、あまりに自然豊かな場面が多く、美術品も調度品も素敵だったし・・・。
何よりも、【オルセー美術館】20周年企画の一環として製作された映画だと言うことで、楽しみにしていた。

オルセー美術館と言えば、マネの「笛を吹く少年」やミレーの「落穂ひろい」が有名で、かって、駅舎だった建物を利用したユニークな美術館で、フランスではルーヴルに次いで人気が高いと言う。
美術館の全面協力で、本物の美術品コレクションもふんだんに使われていたのだが・・・。
正直、ちょっと、期待はずれの地味な映画だったかも・・・。


パリ郊外の陽光きらめく庭で、家族が揃い、母の誕生日を祝うことから物語りは始まった。
高名な画家であった大叔父のアトリエに一人住む母。
3人の子供たちは、長男はパリに、長女はアメリカに、次男は中国に、それぞれ自分の家庭を築いている。
小さかったころ、木登りした庭や本物の絵画に囲まれて過ごした家も、遥かかなたの話だ。

長男はともかく、下の二人はフランスには戻らないだろうから、全部処分して3人で分けるよう、母は長男に託す。
母の遺した美しい邸宅と価値ある美術品コレクションの相続を検討中、3人の兄妹の揺れ動く思いが手に取るように分かる。
2年前、私も実父を亡くし、相続を経験した。
我が家の場合、再婚した義母が居たために、複雑さ加減は、思い出したくも無い話だ。


皆の夏の別荘地として残したいという長男の思いとは別に、北京で家を購入するために、遺産を購入資金として当て込んでいる弟。
大叔父のコレクションを、ニューヨークでオークションにかけたいと希望している妹。

お気に入りの絵を売ることになり、

「僕を憎まないでくれよ!」

と、長兄に抱きつく弟。

「私の子供も、この庭で遊んだらいい・・・」

と、祖母から言われ育った孫娘。
やりきれない、どうしようもない思いがそれぞれの胸に渦巻く。

「あの絵だけは手放したくなかったな・・・」

と、ポツリと愚痴をこぼす長兄。

「二人(妹・弟)から買い取るお金も無いんでしょう~?」

と、妻から労わられる長兄。

長年、母に仕えてくれた老女に、遺品として送った、ガラスの花瓶。
実は、昔のモダンと言うつくりで、高価な花瓶だったのだが・・・。
片割れの、美術館に鎮座してる花瓶より、母の好きだった花を飾ってある、生きた花瓶のほうが何倍も素敵だと言うことに、長男は気づいていた。

映画では、それが素敵な余韻として残っている。


【この家は、もう、僕たちには必要が無くなる】

と言うことを母は知っていたのかもしれない。

この映画のキャッチコピーだ。


こんな時期なのに、前からの約束だったので、新宿へ行ってきた。
何しろ、アカデミー賞を大量に獲得した話題の映画だったから、見てみたかった。
日本での、みのさんのTV番組を見ていたので、どちらが真似をしたのか知らないが、まるで同じなことに驚いた。
そして、喜劇だとばかり思っていたのだが・・・。

インドのムンバイ(私はボンベイと言う名前のほうが馴染み深い)のスラム街で育った孤児の少年(18歳は立派な青年か~?)がクイズ番組に出て、多額の賞金に挑む物語だ。
どうして、どうして、喜劇ではなく考えさせられるところが多い、ヒューマンドラマだ。

辛うじて文字は読めるが、本などとは無縁の生活をしていたジャマールという青年。
小さい頃、宗教の対立の暴動に巻き込まれて母親を失う。
残った兄と一緒に苦労を重ね、「初恋の人」をも奪われ、今は携帯会社のお茶汲みとして働いているジャマール。

一夜にして大金を獲得できるクイズ番組、【ミリオネア】に出場したのも、ただただ、初恋の人がTV番組を見ていてくれるだろう・・・との希望からだった。

しかし、勝ち進んでいくと、スラム街で育った彼が何故、全問正解を・・・と、不正ではないか、詐欺行為をしているのではないか・・・と、当局に捉えられてしまう。
過去、いかなる人も、大学の教授でさえ、全問正解は無理だったから・・・。

警察での過酷な尋問によって、彼の生い立ちが徐々に明らかになってくる。
一つ一つの問題の答えは、全て、彼の悲しい生い立ちだったから。

最後の最後の問題の答えだけは、ヂュマの「三銃士」の問題だったが、本を読んだことも無いジャマールには応えることが出来ない。
最後の最後に、あてずっぽうに選んだ答えが・・・。

【運命】を感じた瞬間だった。

インド社会の雑多な問題。
格差社会。
宗教の違い。
幼児の虐待・・・などなど。

今回、この映画にアカデミー賞を与えたことが、世界中の人に、インドの抱えてる悩みのかけらでも、垣間見させてくれたことに意義があったのかと思った。


よしながふみ氏原作(マンガだそうな)の「アンティーク」(西洋骨董洋菓子店)を見に行ってきた。
日本でも、フジTVでドラマ化されていたそうだが、そのドラマも原作も見て無いので、今回は、まっ更なな白紙の状態で見ることができた。

4人のイケメンの洋菓子店の話だが、オーナー役(日本では椎名桔平)のチュ・ジフンが麻薬所持で送検されたと言うニュースも出たことなので、上映禁止になりはしないか・・・と、案じていた。
DVDの販売は禁止になったものの、映画は上映中止にはならなかった。
それよりも、凄い混みようで、驚いた。 
韓流ブームはとっくに終わっていたと思っていたから。
なのに、チケットを購入する為に、階段を下の階から並ぶほどの長蛇の列。
座席も、ほぼ満席だったのには嬉しいやら、びっくりするやら・・・。

今回、私のお目当ては、【伝説の魔性のゲイ】を演じる、キム・ジェウク(藤木直人)だ。
彼は、若い頃の反町隆史を髣髴させる、目元の涼やかな綺麗な人だ。
【コーヒープリンス1号店】と言うドラマで、ちょっと陰のある日本人とのハーフ役を演じ、すっかりその魅力にはまってしまったのだ。
この「アンティーク」でも、数々の賞を取った、天才パテシェを楽しそうに演じていた。
(ゲイ役が爽やか・・・と言うのも、可笑しなものだが、嫌らしさは全く感じなかった)

そして、他の二人は滝沢秀明君が演じた元ボクサーと、オーナーを「若」と慕っている大男(阿部寛)の4人だ。

どうも、「若」こと、財閥の御曹司であるオーナーには、子ども時代に誘拐された辛い過去があるようだった。
監禁されていた時に、ケーキを食べさせられていた事があったので、自分がケーキ店を営めば、いつかは犯人にたどり着くのでは・・・と言う想いがあって開店したのだ。

簡単な台詞なら、字幕を読む前に少し理解できて、それが何よりの収穫だった。
筋そのものより、洋菓子店で出されるケーキと茶器の素晴らしさにうっとり。
なんだか、日本のドラマも見てみたい気がしてきた。


あんなに美味しそうなケーキを見た後なので、食べなくては・・・とばかり、ケーキ屋さんに直行。
銀座の街には沢山のケーキ屋さんがあったけれど、私の我侭で今回は丸の内の仲通りに行ってもらった。
そこのカフェテラスで、路行く人を眺めながら、ケーキを食べたかったのだ。

ここは、日本でも有数の外国のブランド店が立ち並んでいる。
銀座の喧騒を他所に、静かな落ち着いた綺麗な街だ。
もう、40年以上前に、このオフィス街で働いていた事が嘘のように思える。
あの頃は、自分が働いていたところが、日本でも超がつくくらい、大きな会社だと言う事、知らずにいたのだ。

レンガ街の面影はもう何処にも無い、洒落た綺麗な街に変貌していた。
パテシェお薦めのケーキは美味しかった。
見たいと思っていた映画も見れたし、歩きたいと言っていた街も歩けたし、友人たちとの楽しい談笑は、何よりの明日への糧だ。
今日、これから又、病院通いだ。
思ってた以上に足の痛みは続いている。
でも、楽しい事なら、多少の痛みも我慢できたし・・・。

人間なんて、勝手な生き物だと呆れている。(苦笑)
そして、この映画のキャッチフレーズ、

  【ケーキは幸せなときに食べる!】

が実践できて、嬉しい!(笑)
水谷豊扮する、あの杉下警部の【相棒】のスピンオフ・ムービーだ。
本編でも、なかなか味のある鑑識官、米沢さん主演の映画だ。
スピンオフも、本家がしっかりしているので、独立モノとして充分耐えうる映画に仕上がっていた。

始まりは、【相棒】の映画版、東京マラソンを舞台とした場面からだ。
その画面の中に、米沢さんの逃げた女房の姿を見つけたところから始まる。
これと言って、思い当たる理由も無いまま、「離婚届」の用紙を残して消えた女房を見つけた米沢鑑識官。
警察組織の力を利用して、元女房の住まいを突き止めるが・・・。
会うか、会わずに置こうか・・・、躊躇してその場を立ち去るが、翌日、其処の住人が「死体」となって発見される。

「特命係の亀山!」 ならぬ、「鑑識の米沢!」と呼びつけるお馴染みの伊丹刑事。
表面冷酷、中は、実は至って熱い伊丹刑事の面々も、本家【相棒】のお約束通りの流れを踏まえて、観客を楽しませる。
思っていた以上に、杉下警部と亀ちゃんの出番も多く、益々、観客を引き離さない。
定石通りの洒落た展開だ。

そして、特命係の二人に頼ることなく、

「これは私の事件です!」

と、動き出した米沢の【相棒}は、殺された女性の元夫である所轄の刑事。
萩原聖人が案外(?)好演しているのが拾い物。(失礼!)
実は、彼は此処のところ、【冬のソナタ】でペ・ヨンジュンの吹き替えを担当しているので、そのイメージに振り回されていたのだ。

首の付け根の黒子によって、殺されたのは米沢の女房で無く、刑事の元妻であることが判明。
が、似たように、元女房の幻影と戦い続けている二人は、共通の悲哀を持っていることで、協力して独自の捜査に当る。

犯人と思しき人物が、警察の元超大物で、天下り先の確保ゆえの上からの弾圧など、この【相棒シリーズ】はなかなか、時流に長けている。

最後の、どんでん返しの結末には恐れ入ったが、面白い映画だった。
そして、一言。
映画が終了と同時に席を立つ人がいたが、それは勿体無いこと。
ラストのクレジットが終わると同時に、次回からの新しいシリーズの【相棒】の予告編が流されるのだ。
亀山の代わりの相棒は、「ミッチー」(及川さん)。
水谷さんと似たようなキャラだと心配したが、製作者のプロの目はさすがだ。
被ることなく、「1+1は2以上」の面白みを見せてくれるようだ。

次回のTVが待ち遠しい!


最近、BSのみならず、CSも見れるようになったから、嬉しくて、ついチャンネルをカチカチと・・・。
土曜日だから良かったものの、昨日も珍しく深夜にまで見てしまった、この映画。
疲れが取れるようで、こういうラブコメは大好きだ。


主演は、ラブコメの女王、サンドラ・ブロック。
そして、頼りなさ気の男性を演じさせたら当代一(?)のヒュー・グラント。
二人の名前を見ただけで、面白くないはずが無い。

さして美人では無いけれど、才媛で心温かな弁護士のサンドラ。
悪人では無いけれど、優柔不断で女たらしのヒュー・グラント。
街にある古くからの公民館の取り壊しを巡り、建設業者(ヒュー)の元に掛け会いに行った弁護士のサンドラ。
彼女の公民館擁護の名台詞が企業家の注意を引いて、顧問弁護士に。
以後、何から何まで、弁護士の彼女の指示を仰ぐ、情けない雇い主。
会合に出席の為のネクタイまで、選んでもらう体たらくさに、彼女が突きつけた

  【トゥー・ウィークス・ノーティス】

日本では、仕事を辞める時、1ヶ月前に通告するのが常識(?)だと思っていたが、アメリカでは2週間なんだ・・・。
後任に選ばれた、彼女と同じく、ハーバート出の才媛の秘書。
男性は、あの手の金髪美人に弱いんだ・・・と、なにやら、サンドラに肩入れして見ている自分がおかしい。(笑)

自分から辞職していながら、情け無い、自分とは正反対のオーナーに惹かれてしまったサンドラ。

ラストは、彼女の映画のお定まりのハッピーエンドに終わり、ほっとする。
これといって、大した筋書きの映画でもないが、肩の凝らない、なかなか楽しめる映画だ。

サンドラは、キャストに名前を載せるだけでなく、必ず、スタッフにも名前を連ねている。
単なる女優としてでなく、制作側にも居るという強み。
それが、サンドラの映画の特徴なのだろう。

「あなたが寝てる間に・・・」とか「デンジャラス・ビューティ」とか、彼女の映画は大好きだ!
楽しい!
文句なく楽しかった~♪
ABBAのステキなナンバーに乗せられ、体がウキウキと動くようだ。
御歳、60歳近いメリル・ストリーブの弾けぶりが可愛い!

エーゲ海に浮かぶギリシャの小島が舞台だ。
輝くばかりの綺麗な海。 車も通れないような島の中で、小さなホテルを経営しているシングルマザーのドナ。
一人娘のソフィ(20歳の花嫁)の結婚式前日から当日までの物語だ。

バージンロードは、まだ見ぬ父と一緒に歩きたいと言う夢を抱くソフィ。
母親の日記を盗み見て、元カレの3人を結婚式に招待する。
この小柄なソフィを演じているアマンダ・セイフライド。
くりくりとした目が可愛く、初々しく、とても愛らしい。
母親役のメリルとは、まるで本当の親子のような雰囲気を醸し出している。

3人の元カレの中に、懐かしい顔を発見。
5代目ジェームス・ボンドのピアース・ブロスナンだ。
50代になっても、端正な顔立ちは崩れることなく観賞眼に耐えうるのは見事だ。
そして、私は初めて見たが、銀行マン役の人。
冒険家で作家役の人。
それぞれ、個性的で素晴らしい。


ストーリーそのものは、どうと言ったことは無い。
誤解で別れてしまった恋人と、どう言う展開になるか・・・。
ソフィの父親は果たして誰か・・・。

この映画は、そんなストーリーそのものより、熟女3人(母親ドナの若い頃からの親友)のハチャメチャな弾けっぷりが楽しくて楽しくて・・・。

何でも、メリルはインタビューの中で、

「沢山映画を撮ったけれど、こんなに楽しかった映画は始めて。 ギャラを頂くのが申し訳ないほど・・・」

と、語っている。

主演の彼女にしてそうなのだから、見ている人が楽しくないわけが無い!
昨今の暗い世相の中、こんな、何も考えず、頭を真っ白にして体をウキウキさせる映画も必用かも・・・。

楽しかった!


そして、予告編で、またまた胸をときめかす人に遭遇。
リチャードギアが「忠犬ハチ公」のリメーク版に挑む、【HACHI】。
雪降る停車場で列車を待っている可愛い犬。
飼主がリチャード・ギアだ。
今春に公開されるそうだが、又、見に来なくちゃ・・・。
楽しみ!

今年初めての映画を見てきた。
内野さんと伊藤さんが、ハイパーレスキュー隊員に扮し、活躍する映画だ。
数年前に起こった、新潟地震での崩落現場でのエピソードが、物語の根底にあるとか・・・。


話は銀座の街に、野球ボールよりも大きな【雹(ひょう)】が降ってくるところから始まる。
直下型地震の影響で、小笠原近海の海水温度が急上昇。
それが上昇気流を起こし、観測史上、類を見ない大型台風が東京に接近する。

【雹】の被害を避けるため、皆が逃げ込んだのは、地下鉄の構内だ。
フィクションだと分かっていても、生まれ育った東京の街が、それも銀座が見るも無惨に災害に侵されていく様は、哀しかった。
肩の力が異常に入りすぎて、実写とCGの融合映像だと分かっていても、辛かった。
三越デパートのウインドーも、銀座4丁目の服部和光の、あの時計台も砕け散る。

かっては、ハイパーレスキュー隊員であった伊藤さんは、事故現場から友人を助けられなかった・・・と言う、トラウマで隊員をリタイアーしている。
今は、慣れない車のセールスマンをしているが、正義感に燃える優しいパパだ。
言葉に障害の有る娘の誕生日に、銀座で待ち合わせをしてる時、惨事に出会う。

娘を探しに行く時、地下鉄内に大量の水が流れてきて、崩落し、大変な事態となる。
結局、生き残ったのは、伊藤さん父娘と、Dr.の研修生である山田さんと大阪商人の木村さん、そして、紅一点、花を添えているのが、銀座のホステス役である、韓国の女性、MINJIさんだ。

この5人が、地下鉄の旧新橋駅構内に閉じ込められるのだ。

「助けは来るのか!」

と、自暴自棄になりそうな皆を、元レスキューの伊藤さんがリーダーとなって、あらゆる努力を敢行する。

【2・5・2】

トントン、トントントントントン、トントン。
2,5,2と言う音は、東京消防庁で、「生存者アリ」と言う信号なのだそうだ。

崩落の危険を顧みず、外界に「生存者アリ」と知らせる、唯一の手段として、掌の皮が血まみれになっても、叩き続けるメンバー達。
何時、誘発事故で岩盤が崩れるか・・・、観客は、肩の力を抜けずじまいだ。

モノトーンの灰色の画面で、唯一、花を添えてるMINNJIさんが良い!
172センチのスレンダーな美人の彼女。 日・韓・英と語学に堪能な理知的な彼女。
媚びることなく、毅然と、力強く生きてる様は、素敵で惚れ惚れとする。
どうして、この閉じ込められた人の中に、韓国人の美女を設定したのか、監督の意図は分からないが、物語として、一服の清涼感は感じられた。
ラストのクレジットで、主題歌を歌っているのも彼女だと知って、益々驚いた。

二次災害を恐れて、救助にいけず、歯軋りして苦悩する内野さんが良い。
髪を短く刈り込んで、「これぞ、まさに男!」と言う、レスキュー隊員を好演してる。

大型台風の目に入る18分間(風がやむそうだ)に、爆薬を仕掛け、真上から穴を開け、皆を救助しなければならない。
時間との戦いに、またもや、肩に力が入る。
現実離れしたラストは、ちょっと、いただけなかったが、子役の女の子のいじらしさ。
最近の子役は、どうしてあんなに演技が上手なのだろう。

お台場に海水が押し寄せて、某TV局が破壊されるとか、韓国の美女と銀座で豪遊する、卑猥(?)な客(ルー・大柴)とのシーンなど、お遊びもちらほらあったけれど、全体には、ちょっと疲れる映画なので、星は4つ。(笑)
でも、伊藤さん! 格好、良かったよ~!


最近、肩に力が入る映画が続いたので、次回は、【マンマ・ミーア】にしようと、決定。
多いに、笑ってこようと思っている。



何だかんだと理由をつけては遊びまわってる。
昨日も、朝の9時15分から新宿で待ち合わせ、映画を見てきた。
【K-20-怪人二十面相・伝】だ。

伊勢丹の裏にある映画館がリニューアルされて綺麗になった。
最近の映画館は、一昔前が嘘のように素敵になって、設備も素晴らしい。


映画は、小さい頃から見知っていた怪人二十面相の話だ。
が、今回の映画は、ちょっと、度肝を抜く結末で、明智ファンには、どう写っただろうか・・・。
まぁ~、それはともかく、とにかく、【金城武】が格好良い!
彼のプロモーション・ビデオではと思えるほどだ。

作成は、【夕日三丁目】のスタッフだそうで、全般にノスタルジックな感じを受けるのは、その所為か。
女性監督ならではの細かい感性も随所に見え隠れする。

お顔は存じていたが、名前が一致しなかった俳優。 國村隼さん。
彼の助演が、金城さんの良さを一層際立たせて居たように感じた。
絵に描いたような上流社会のお嬢様を松たか子さんも好演。
が、私は、國村さんの女房を演じた高島礼子さんの演技が光っていたように思えた。
どちらかと言えば、モノトーンに近い映像に、白い鳩のような松さん。
そして、掃き溜めに鶴とは行かないまでも、鮮やかな色を添えていた高島さん。
2時間があっと言う間に感じるほどの楽しさだった。
映画というより、活劇、劇画というノリだろうか。
何しろ、金城さんがいっぺんで気に入ってしまった私たちは、お正月早々、【レッド・クリフ】も見に行かねば・・・と、約束してしまった。

その後、大久保のコリアンタウンでお買い物。
円高還元で、ちょっと得した気分。
洒落たカフェでお茶しながら、おしゃべりに花が咲く。
気がついたら、夕方の4時半。
通算、7時間以上も、友人たちと一緒に居たのに、まだ、物足りない感じだ。(笑)

夜、息子がケーキを抱えて帰宅した。
大人ばかり4人の宴は、和気藹々のもとに過ぎていった。
巷では、【巣篭もり】とか、評してるクリスマスだそうだが、私は、外と内と、両方楽しんだから、罰が当るかな・・・。(笑)

幸せで楽しい一日だった~♪
数々の噂(評判)は耳に入ってきたけれど、やっと、自分の目で見ることが出来た。

連日の中居君のTVジャックが嘘のように、3週目を過ぎた今、ヒートぶりはやや沈静気味か・・・。
新宿の映画館でも、客席数230席と言う、小ぶりの劇場で上映されていた。
平日の朝と言うことで、客の入りも今一。
それでも、皆、マナーも良く、気持ちよく観賞できた。

2時間10分と言う時間は、長いとは微塵も感じなかった。
映像も綺麗だったし、何より、中居君の渾身の演技は素晴らしかった。
仲間さんも素敵だし、子役も健気で可愛いし、脇の人も達者な演技者ばかりで安心だし、大満足のはずなのだが・・・。

でも、でも・・・。
何かが違う。 この違和感は何なのだろう・・・。

戦後、60年以上経ち、戦争体験者も全国民の2割を切ったとか。
今の繁栄とは想像も付かない、悲惨な時代を先人は過ごしてきた。
風化させること無く、若い人に、「知ってもらう為」にも、中居君の登板(当番)は良い選択だったと思う。

彼が、あえて、過去の名作に挑む姿勢を高く評価したい。
田宮さんの【白い影(無影燈)】や加藤さんの【砂の器】、そして、フランキーさんの【私は貝になりたい】に挑戦することは、凄いプレッシャーだったことだろう。
とかく、色眼鏡で見られがちのSMAPのリーダーとして、並ならぬ彼の努力を尊いとさえ感じた。

それでも、今回の映画を見終わったあとの気持ちの「揺れ」というか、「ざわざわしたもの」は何なのだろう。
余りにも、映像が綺麗過ぎた為だろうか・・・。

プロローグの映像を初めとして、随所に散りばめられてる、日本の原風景とも言える四季の美しさ。
息を呑むような色彩豊かな映像と、モノクロが似合う物語とのギャップの差があり過ぎるためではなかろうか・・・。

初めに、あのカラフルな風景ありきで、其処に、戦争の悲惨さを訴える物語を嵌め込んだような気がしてならない。

大判のハンカチを用意して行ったにもかかわらず、涙が溢れた箇所は、ほんの数箇所だった。

以下、ちょっとネタバレになってしまうが・・・、

拘置所の金網越しに、子供の指を愛しそうに唇に持っていく豊松。
後日、父に触れられた指を、大切に空に向けてかざす息子。
【ET】のような、心温まるシーンではないか。

雲の上のような存在の中将の死を悼む豊松。
あやふやな中将の命令によって引き起こされ、受けた罪なのに、恨むことも無く、ただ泣きじゃくる豊松。

そして、最後の処刑場でのアメリカ兵との抱擁。

この三箇所は涙が溢れてきたが、あとは冷静に見れたと思う。

そして、もっと、もっと多くの人に、この映画を見て欲しいと切に思った。
この婆の私でさえ、映像でしか見たことの無い、あの焼け野原の悲惨な状況を。
沢山の人に見てもらいたい!

10キロも減量し、体当たりで豊松に挑んだ俳優、「中居正広」の努力に報いるためにも、ヒットして欲しいと願っている。


エンディングに流れる、Mr.Childrennの桜井さんの歌声が良い!
「中居正広」のクレジットと共に、至福の時間を過ごせるようだ。
その証拠に、全てが終わり、場内が明るくなるまで、誰一人として席を立つ人が居なかったから・・・。

是非、一度は見て欲しい!
いつの世でも、理不尽な扱いを受けるのは、一介の小市民だと言うことが痛いほど分かるだろう・・・。



*ちょっと、訂正させてください。

ブログを見たmashiroさんからご指摘を受けました。
今日、使わせていただいた映像は中居君の作品ではありません。
他の方の作品でした。
申し訳ありませんでした。

(何しろ、PC音痴の私ですので、映像を訂正したり、他のものに載せ変えたりと、高度(?)のことができません。悪しからず!)

オバマ氏の演説を聞いていて、その内容はともかくとして、スピーチはなかなか上手な人だと思った。
説得力がある、メリハリのある演説だ。


私の大好きなDVDの内、アメリカの大統領を扱ったものが2~3あるが、この【アメリカン プレジデント】もその一つ。
マイケル・ダグラス演じる大統領が、素晴らしく格好良い。
まぁ~、実際は映画のようでは無いだろうが、大統領を取り巻く補佐官達の話も、それなりに面白かった。

名スピーチと言われている草稿を仕上げた、若き補佐官にマイケル・J・フォックス。
その撮影の頃、彼は病気(パーキンソン氏病)と戦っていた最中だったとか。
微塵も影を感じさせず、好演している。

大統領の右腕で、良き友人の役はマーティン・シーン。
(彼も、何処かの映画で大統領を演じたことがあったように記憶している)

そして、大統領が恋に落ちる、環境問題のスペシャリストのアネット・ベニング。
いわゆる、肉感美溢れるハリウッドの中では、平凡な美しさの女優さんだろうが、
私は彼女が大好き。
フランス大統領夫妻との晩餐会に、妻に先立たれた大統領のファースト・レディとして列席した時の、気品溢れる知性美は息を呑むような美しさだった。

大統領選挙目前のロマンスは敵方陣営には格好の餌食となって・・・。

最後の大統領のスピーチは、補佐官の原稿をはみ出して、人間味溢れる大統領の真実の言葉となる。
現役の政治家も数多く、ゲスト出演したそうだが、議会でのプレジデントの演説は、鳥肌ものだ。

先日の、オバマ氏の勝利宣言のスピーチを聞きながら、このDVDをもう一度、見たくなった。

2002年の作品だけれど、色褪せては居ない。
☆la vie en roseさん!

近日公開の映画、【レッドクリフPartⅠ】のお知らせです!
『三国志』を基に、壮大な映画が作られたようです。
原作を読む前に、頭の整理を兼ねて、こちらも如何でしょう・・・。

魏の国の曹操の80万人もの軍を相手に、呉の国の孫権と蜀の国の劉備が連合して戦った、【赤壁の戦い】を描いた映画のようです。

孫権の司令官である武将・周癒をトニー・レオンが。
劉備の知恵袋の孔明を金城武が。

ちょっと、本家の『三国志』とは違うでしょうが、スケールの大きい映画のようで、楽しみです。
11月1日、公開ですって。
最近、小泉今日子のおっかけ(?)になったようで・・・。(笑)
雨降る中、恵比寿まで、「トウキョウソナタ」を見に行ってきた。
第一回の映写時間なのに、ほぼ満員。 かなり、好評なのではと感じた。

東京の片隅での、平凡な家族の、【崩壊と再生】の話だ。
46歳で、一流企業を突然リストラされた父親(香川照之)。 ご飯も食べずに夫の帰りをひたすら待っている母親(小泉今日子)。
アメリカに守ってもらってる(?)、今の日本の現状を憂い、アメリカの義勇兵に志願する19歳の長男。
担任の教諭と合わず、いくらかクラス内で浮き上がっている小学6年生の次男。

私鉄沿線の線路の直ぐ脇に立つごく平凡な家屋。
その、ごく普通の家庭での、音をたてて崩れていくような日常生活。
多少の矛盾点は感じたものの、身につまされた観客も多かったのではと思われる。
特に、ハローワークでの求職の難しさ、厳しさ。 身がすくむ想いだ。

黒澤清監督(かの有名な黒澤監督とは、なんら血縁関係はなし)は、この映画をどう描きたかったのか・・・。
悲劇なんだけれど、喜劇のような。 観客は、かなり、含み笑いをしている。
私は、質の良い喜劇なんだろうと感じた。

無気力に生きていた次男が、ある日、ピアノに目覚める。
父親の反対にあい、給食費を月謝代にして、ピアノを隠れて習い始める。
天才的素質を持つと言われ、音大の付属中学を受験するよう言われるが・・・。

「俺とお前の子供に、音楽の才能などあるわけも無い!」

と、父親は取り合わないが・・・。

アメリカに渡った長男からは、

「自分の思っていたアメリカとは違っていたようだ。 もう少し、いろいろなことを学んでから帰国する。 元気だから心配しないように」

と言う、エアーメールが届き、母親を安堵させた。

ショッピングモールでの清掃人としての働きも軌道に乗り、ようやく、一家に、【再生】の兆しが見え始める。

ラストの音大の受験の為のピアノ演奏は圧巻だ。
新しい一家の希望に満ちた未来を予測するようなピアノの調べ。
勿論、子役の演奏ではなく専門家の演奏だが、子役の演技力には、見とれてしまった。
(数年前の、【砂の器】の和賀さんのピアノ演奏を思い出した)

地味だが、胸に響く映画だと思う。

次男が無賃乗車で警察に捕まった際のシーンは、私的にはNGだったので、★★★★☆

我が家には現在、5匹の猫が居る。
過去に居た猫の数も入れると、何匹になるだろう・・・。

小泉今日子主演の、【グーグーだって猫である】を見てきた。
15年も一緒に暮らした、愛猫、「サバ」を亡くした天才漫画家(麻子さん)と、彼女を取り巻く人々との日常を、愛情豊かに描いた映画だ。
悪くは無い!
ほのぼのとした日常を、さり気なく描いている。
助演の森三中が案外、いい味を出しているのに感心した。

舞台は、東京、武蔵野の「吉祥寺」。
街と井の頭公園がふんだんに出てくる。
昔、足掛け5年、通勤の為に使っていた「吉祥寺」なので、見るもの、全て、懐かしかった。
行列のできる、「佐○肉店」のメンチコロッケ。
「いせ○」の焼き鳥。
戦前のような小店が並ぶ、ハモニカ横丁。
無国籍の面白い店が連なる、公園までの賑やかな通り。
恩賜公園の象さん(花子)など。
どれもこれも、楽しい街並みだ。


「読む人が幸せになるような・・・」

と言う、大きな夢を抱いて、漫画家になった麻子さん。
彼女の偉大なる【遺伝子】を残さねば・・・と、助手の面々が立ち上がる。
そして、白羽の矢が立った彼は・・・。

不思議な青年を演じたのは、加瀬亮と言う30代前半の俳優さんだ。
【硫黄島・・・】にも出てらした俳優さんだそうだが、私は初めて見た。
なかなか、有望株の人のように感じた。

そして、主演の小泉今日子。
彼女の笑顔は絶品だ! 文句無く素晴らしい。
純で、透明で、けだるそうな漫画家の役はピッタリだろう。
ただ、惜しむらくは・・・、

彼女も老いたな・・・と言う印象が強く残った。
もう少し、若い人のほうが、加瀬さんとの相性も良かったのでは・・・。

あはは・・・。 小泉さんへのヤッカミかな~?(笑)
前から、予告編を見て、気になっていた映画があった。

【ジャージの二人】

堺雅人は、ちょっと気になる人だったから、見たかった。

新宿の伊勢丹の斜前にある、その映画館は、リニューアルがなされたらしく小奇麗に変わっていた。
が、映画館に一歩足を踏み入れて驚いた。

「わっ! 小さい!」

座席は250にも満たないのではないか・・・。
スクリーンは・・・と言うと、大型家電売り場の大きめなスクリーンと似通ってると思われるくらい、小さかった。
まるで、何処かの試写室ではないか。
しかも見渡せば、狭い劇場は満員状態。

主演の登場人物が

  ・堺雅人
  ・鮎川誠(シーナ&ロケッツ)
  ・水野美紀
  ・田中あさみ
  ・ダンカン

  そして

  ・大楠道代       の6人。

自然豊かな緑の樹木の多い、群馬(浅間山が見えたから軽井沢の近くかも・・・)の山荘での話。

うだるような35度の猛暑の東京。 片や、23度と言う、ちょっとジャージを着なければ肌寒いような群馬の山荘。

可笑しな父子との夏の山荘暮らし。
瑞々しい【トマト】の山。
摩訶不思議な別荘の隣人。(魔女か〜?)
唯一、携帯の電波が圏外にならないレタス畑。
猪。
ジョン・レノンと小野洋子。
可愛いけれど友達が少ないと言う、音大生の妹。

不倫(?)の女房を東京に残し、父親の山荘に逃げ込む主人公。
これと言って、劇的なことが起こることも無く、淡々と物語りは進み、見終わった後、劇場中に包まれた爽やかで暖かい雰囲気は何なのだろう。
きっと、皆が、たっぷりの自然界からのエキスを吸ったからに違いない。

劇場の狭さもスクリーンの小さなことも、全然関係なく、ジャージに包まれた開放感を観客も共有し、リラックスできた。

大作ばかりが「映画」ではあるまい。
娯楽性ばかりが「映画」でもあるまい。

1.000円が惜しくないと思わせる映画だった。

ちなみに、お若い友人に合わせて、最近は、「水曜日」が映画鑑賞の日になっている。(笑)

「同窓会」(永作博美主演)、これも近々、見に来たいと思っている。
「映画、見に行きましょう!」

急に誘われて行ったから、どんな映画なのか、下準備も全く無し。
で、映画館に着いて驚いた。
平日の朝一番だと言うのに、窓口にはかなりの人の数。
座席もほぼ満員状態。 映画を見る人が増えたのか、それとも、この作品が素晴らしく呼び声が高い所為なのか・・・。

50年前の戦争前の日々と、戦後の現代の日々と、アメリカとアイルランドと、時間も場所も交互に場面は変わるから、内容の把握にはちょっと時間を有した。

50年前、青春の時代を謳歌していた4人の男女。
美しいエセル・アンと、テディ、ジャック、チャックの空軍学校の若者達。
愛・友情・戦争をキーワードに物語りは進められている。
何でも、墜落したアメリカ兵の結婚指輪が最近、発見されたそうで、この実話を基に、シャリー・マクレーンという大女優のため(?)に作られた映画だそうな。
「アパートの鍵貸します」で光り輝いていた往年の女優さん。
確かに、老いは目立つものの、演技力は「さすが〜!」と、思わせる。

若き日のエセル・アンを演じていた女優さんとの対比が見事だ。
生き生きと人生を送っていたエセル・アンが、最愛のテディの戦死によって、投げやりの生活に身を置いてしまう。

長年連れ添った主人(テディの友人のチャック)の葬儀にも参列せず、

「自分の生涯は21歳の時に終わっている」

とまで、言い出す。
その傍らには、一番の理解者のジャックが・・・。

お互いに惹かれあったエセル・アンとテディ。
周囲の反対を押し切って、友人達の力を借りて、二人は結婚。
テデイの指には、「テディ&エセル・アン」と刻まれた指輪がはめられる。

戦争に飛び立つ時、テディは友人のチャックに、もしもの時はエセル・アンの面倒を見てくれ・・・と、頼んで出撃する。
女遊びが絶えない、浮気モノのジャックには頼まずに。
ジャックの真の気持ちも理解せず・・・。
否、ジャックの気持ちを知っていたからこそ、あえて、別の一人に頼んだのか・・・。

若き日のジャックを演じて居るのは、グレゴリー・スミス。
カナダで期待されている若手俳優だそうな。
エセル・アンを見つめる彼の涙目を、周囲の者はどうして気付かなかったのだろうか・・・。
(私なら、胸キュンで分かるのに・・・)

老いてからのジャックはクリストファー・ブラマー。
どこかで見た顔だと思っていたら、「サウンド・ミュージック」の大佐だった。
慈愛の満ちた優しい眼で、常に、エセル・アンを見守り続けている。

指輪の見つかった、最愛の人テディの最終の地へ赴くエセル・アン。
迎えに行くのは、ジャックしか居ない・・・と、エセル・アンの娘に諭され、ジャックも秘めていた胸の内をさらけ出し、紛争最中のアイルランドへ彼女を迎えに行くことに。

最愛のテディとの約束の指輪。 墜落したテディの臨終の言葉、「自由になれ!」を、50年経って知らされた彼ら。

二人だって、薄々は惹かれあっていたこと、分かっていたのでは・・・と信じたい。
亡くなった人には可哀想だけど、時代に関係なく、「恋」は何度でも起こると信じたい。

何時までも、テディのことを引きずるエセル・アンに、

「テディ、テディ、テディ・・・か!」

と、苦笑いするジャック。

老いた二人に「幸あれ!」と、祈らずには居られない思いだった。
【山桜】を見に行ったところ、田中麗奈さんのトーク・ショーがついていた。
思いがけずに、近距離で彼女の姿を目にした。
前々から、好きな女優さんの一人ではあったが、今回、生の田中さんにお会いできて、益々、好きになった。

田中さんが演じた女性は、藤沢作品ではお馴染みの「凛とした」人だ。
「目力」が凄く、熱演であった。
彼女は今年、28歳になるという。 余り、若くも無く、さりとて年老いても無く、今が「旬(盛り)」の女性なのだろう。
映画の中の、和服姿の彼女も綺麗だったが、生のドレス姿の田中さんは、息を飲むほど美しかった。
タレントさんと女優さんの「違い」は何なのだろう・・・。

この映画で印象に残ったのは、美しい佇まいの着物姿だ。
足袋を履かない、紬の普段着も良かったが、外出時の着物姿。
特に、「白足袋」の神々しいまでの美しさ。
一本の山桜と共に、足袋の白さが印象的であった。

  【幸せへの回り道】

主人公、二人のささやかな幸せを祈らずにはいられない。

田中さんばかり、印象に残っていたが、
東さん! 立ち回り、なかなか良かったですよ!!
考古学者ジョーンズ博士が秘宝を求めて世界中を駆け巡る、ロマン溢れる活劇シリーズの第4弾。 19年ぶりの作品だ。
主演のハリソン・フォード。 何を隠そう、私と同級生。 ご老体だ。
あの迫力或る、スピーディの動きが果たして、H・フォードに出来るだろうか・・・。

危惧は見事に打ち崩された。 面白い。 文句無く面白い!
場面のところどころに、前作のエピソードが散りばめられていて、見るものを飽きさせない。
あっという間の2時間だった。
前作で、父親を演じたS・コネリー。 博士の机の上の写真たての中で静かに微笑んでいるのも、嬉しかった。

今回の相棒は、若きシャイア・ラブーフ。 まだ、成長中といった若者だけれど、なかなか、いい〜♪
H・フォードが、「ジュニア〜♪」と、優しく呼ぶシーンに、S・コネリーが呼んでいたことがダブって見えてきて、感慨深かった。

写真の帽子。 若い彼に拾わせず、老いたジョーンズ博士が被ったことが、次回作への暗示と受け止めた。
まだまだ、出来る。 否、もう、世代交代か・・・。
複雑な想いも抱きながら、映画館を後にした。

面白い!
3〜4年前の映画だろうか。 友人から廻ってきたのだが、余り、古さは感じられない。

今をときめく、「篤姫」の宮崎あおいと「王の男(韓国映画)」のイ・ジュンギ共演の日韓合作映画だ。
日頃、映像で見慣れた京都の町が、韓国人の監督の目を通して見ると、こんなにも新鮮なのか・・・と、はっとさせられた。

最近、京都にもご無沙汰で、何年か前の町の様子しか思い浮かばなかったから、数年前の京都のほうが、私としては違和感無くすんなり入れた。
きっと、今の京都は、随分と変わってきているだろう。

筋そのものより、二人の俳優と、京都の景色。
私には、充分、楽しめた。

それにしても、宮崎あおいと言う女優さん。 目と目がちょっと離れていて、静止画面より、動いた方が数倍も綺麗で魅力的。
お茶目で、明るい篤姫が似合うはずだ。

もう一方のイ・ジュンギ。
先日の「光州事件」の映画でも、爽やかな高校生を演じていた。
日本の高校生の中に混じっても、遜色なく光っていて、いわゆる、「イケメン俳優」とは違っているようだが、好感が持てた。

こんな映画を見ると、又、京都に行きたくなる。
行きたいな!
「世界は知らなかった、散った愛の数を・・・」

このキャッチフレーズが、映画を見終わった後、おぼろげに理解できた。
全国民には知らされていなかった、恐ろしい事実を・・・。

「光州事件」とは・・・。
1980年。 民主化を求める活動家と、それを支持する市民(大学生や高校生まで)が韓国軍と衝突。 多数の死傷者を出した事件のことだ。
各地を封鎖し光州を孤立化させて、弾圧した結果、死傷者600余人をも出した哀しい事件のことだ。 わずか、10日間の決戦であった。
その頃の、軍部の代表は「全斗カン大統領」。 光州は政敵の「金大中」の居たところだ。

その頃、私は、二人の息子の「育児戦争(?)」真っ只中。 いわゆる、【空白の10年】の時代だ。
TVといえば、「お母さんと一緒」とか「ガチャピンとムック」とかばかり。
世間の大きな波から埋もれていた時代だったから、「金大中」なる言葉は聞いていたけれど、それが「光州事件」と、どう結びつくか・・・などは、全く知らなかった。

多分、暗い映画だろうから・・・と、行き渋っていた私だが、半ば強引の仲間の誘いで観てきた。

仲の良い兄弟の微笑ましい映画鑑賞から物語は始まる。
その、平和な光景から一変して、映画館の外では軍部の弾圧で撲殺される活動家。 それに巻き込まれてる一般市民。
親友を撲殺された弟(イ・ジュンギ→「王の男」に出演)が怒りと共に、活動に加わる。 そして、兄の目の前で、殺される。

善良で、小心者の兄(キム・サンギョン)だったが、弟の死を境に、活動に加わり、市庁舎内に立てこもる。

活動家の隊長役をアン・ソンギが好演。 韓国の良心的俳優と、尊敬されている彼。 渋くて、格好よくて、存在感はさすがだ。

皆、愛する家族の為、銃を持つ彼ら。
公共放送では、軍部の死亡者の数は伝えても、光州市民の数はゼロと発表。
情報操作の恐ろしさを見た思いだ。

奇しくも、先日、TVで観た、【チェジュの悲劇】。
今、観光で湧くチェジュ島で、60年前に弾圧されて、日本に逃げてきた韓国の人の話だった。
これもまた、韓国内ではタブーの話。 60年ぶりに、祖国の地を踏んだ、当時、女学生だった婦人の老いた顔に、戦争の辛さを思い遣った。

サイクロンの被害で苦しんでるミャンマーの人々。 未曾有のような大きな地震に被災した中国の人々。

政府の情報操作は大丈夫だろうか・・・と、心配でならない。
 友人に誘われて、ジョージ・クルーニの【フィクサー】を観てきた。
近頃は、家で好きなDVDを、気ままに観る癖がついてしまったから、2時間続けて、一気に観る・・・というのが苦になってしまった。
お誘いでもされない限り、なかなか、映画館には足を運ばない。

「みゆき座の前で、いいよね〜」

 と、友人からの電話に、

「OK!、チケット売り場の前で待っている」

 と、応えたものの、最近は、日比谷もとんとご無沙汰だ。
一人で行かれるか、ちょっと、自信が無かった。
案の定、地下鉄の出口のナンバーを間違えたから、ちょっと、遠回りに。
そこは、まさしく、新宿とは違った香りというか、雰囲気の漂う街だった。

 平日の朝だというのに、かなりの観客が居るのに、驚いた。
友人も、お目当てのジョージ・クルーニを堪能できて、満足気の様子。
【オーシャン・・・】の時の洒落た役柄と違い、陰のあるこういう役も、なかなか、決まっている。
久し振りに、青臭くない、成熟した【オトコの色香】を感じ、ちょっと嬉しい。

 映画は、製薬会社の怖い話。 会社の利益の為には、恐ろしい「毒物」のクスリでも流してしまう。
なにやら、実社会でもありそうな話だ。

 「フィクサー(調停役)」と呼ばれる、法曹界の影の仕事に従事する、弁護士のマイケル。
内部告発の資料を公表直前に死んでしまった親友の「死」を暴き、製薬会社を相手に、真相究明に乗り出す。

 別れた妻の下にいる、愛息との暖かな交流。
ハリウッド、否、日本も韓国も、どうして、ああ、子役は旨いのだろう・・・と、感心する。

 父親が息子に投げかける一つの言葉。

「お前は強い心を持った人間だ。強い心があれば、どんなことも乗り切れる」

 別れてはいても、お互いの信頼と、確かな愛情で結ばれている父子。
とても、観ているこちらまで和んでくるような、いいシーンだ。
心が痛むような、気持ちのすさんだ顧客の元からの帰り道、牧場に放たれてる馬との触れ合いのシーン。
なかなか、琴線に触れるのが上手な監督だなと思った。

 楽しかった。

 

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