手仕事

2006年9月12日
 友人に誘われて、ある、【お針の会】に出向いた。
何でも、友人の大学時代の仲良しさんが集まって、各々、パッチワークなり編み物なりの手仕事を楽しむ会らしい。
出発は、大学の同窓生のあつまりだったのが、各自の友人にまで輪を広げ、おしゃべりと手仕事半々の楽しいお集まりの会に変ってきたようだ。

 私も、若い頃は、毛糸や布に囲まれた生活が何よりの楽しみだったので、早速、お仲間に入れてもらったのだ。
ところが、いざ、始めてみると、忙しく子育てに追われた若い頃と違って、時間もたっぷりある今になって、目があがってきたのだ。
針に糸を通すのが億劫に感じる始末。
「貴女は、仕事が手早いわね〜」と、義姉に褒められたのが自慢のはずの私が、根気は無くなるわ〜、情熱は消えてしまうわ〜、散々である。
まさか、まさかの、【老い】である。

 私の両親は、父母共に、手先の大層器用な人だったから、実家は、此処かしこ、父母の作品で溢れていた。
特に、父は、晩年になって始めた『木彫り』に夢中になり、ため息の出るような細かな彫りに挑んでいた。
「目が・・・」なんて、甘えている自分が恥ずかしいほどの遺作の数々だ。

 先日、主人が父の作品を飾ってくれた。
玄関の棚に。 食堂の壁に。 居間の本棚の上に・・・・・。
重厚な作品から、微笑ましい可愛い壁掛けまで、父の【手仕事】の跡が伺える。

「なんか、じいちゃんの匂いがするね〜」
玄関の扉を開けて帰宅した息子の第一声だ。 確かに、父のぬくもりがそこかしこに感じられた。

「ママ! 今日は、何を作ってきたんですか〜? 見せてください」
お嫁ちゃんの元気な声に、何故か見せるのをためらう自分がいる。
あの父母の娘ともあろうものが、何たることだろう。
少し、喝を入れなきゃ〜と思いながら、惰眠を貪っている。

 身体は何処も悪いところは無いのに。何故か、最近は気力が萎えている。 ふぅ〜!

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