もう、成人も成人、結婚までしてる大の大人の息子に、腹を立てている。

去年の春から、体調を崩し、仕事にも就かず、家でブラブラしていた息子。
やっと、今年の秋口から仕事を始めたと思っていたら・・・。
仕事先の受注の関係で、又、自宅待機を余儀なくされた。
目下、求職活動もせず、「プー太郎」を決め込んでいる。

今回は、息子の意志では無いとはいえ、だらだらと、家に篭もっている姿は、親の癇に障る。
いくら、親の家で、諸経費は出ないにせよ、年金暮らしの親を当てにしての暮らし方は、将来のことを考えると気が滅入る。

父親は・・・と言うと、これまた甘く、

 「余り、騒ぐな・・・!」と。

我が家の大蔵大臣(?)の私にしてみれば、

 「冗談じゃないわよ! 一体、何を考えてるのか。 将来を見据えてるのか!」

と、一喝したいところを、じっと我慢している。

その所為か、最近、床に入っても気持ちが高ぶり、なかなか寝れないのだ。
胃の辺りもキリキリと痛くなってくる。

今朝、自分の体調も考えて、ストライキに入った。
朝食の仕度だけは整えたけど、テーブルにセットして、自室に篭もった。
朝から昼間で、目いっぱい不貞寝を楽しんだ。
家の中は、音も無く静まり返っている。
足音すら、忍び足の雰囲気が・・・。 猫すら大人しい。(笑)

喉が渇いたし、おなかも減ってきたので、篭城は半日で終わったけれど、何処まで、母親の真意が息子(長男)に伝わるか・・・。
妻子を両肩にずしりと背負い、頑張っている弟(次男)のことも、考えればいいのに・・・。

当分、息子には、笑みは見せないようにしようと、愚かな母親は思った。

それにしても、胃の痛いの、何とかならないか・・・。
滅多に、夜の会合へは出席しない私なのだけれど、どうしても、今夜、主人を置いて出かけなければいけなくなった。
平日の昼間、主人の勤務中ならば、何処へでも自由に出かけられるのだけれど。
お勝手仕事がまるで駄目な主人のことだから、【お留守番】をさせるのは大変なことなのだ。

【男子、厨房に入らず】が持論だった、明治生まれの義母に育てられた主人だから、お湯、一つ沸かすことが出来ない。
自分で出来ることと言ったら、辛うじて、パンを焼いて、食べることくらいだろう。
3週間も、私がドイツに行った時は、よくぞ、飢え死にしなかった・・・と、感心している。

今日も、夕方に家を出るのに、もう、

「何時に、出るのだ! 俺の夕食はどうなってる・・・」

朝から、煩いくらい、訊いてくる。

「帰りは何時だ! 遅くなるのか・・・」

教育が悪かったのは私の所為だから仕方が無いが、隠居になって、家に四六時中居るとなると・・・。

お~! 怖っ!
先が思い遣られる。(笑)
「何か、美味しいもの食べに行こう・・・♪」

結局、息子夫婦と行き着いた処は、大型ショッピングモールの中のお寿司やさん。
いつもの、回転寿司より、ちょっと高級(?)な処。

「今日はお母さんの奢り! どんどん、食べて!」

ちょっとこの処、気持ちが低空飛行気味の母は、ショッピング(と言っても雑貨や食物類)と、貪欲に食べることで解消する。

カウンターで、板さんと向き合い、とろけるように美味しい「にぎり」を次々に注文する。
入った当座は、自分のおなかを満たすことで夢中だったが、しばらくすると、周りが見えてきた。
何と、我々家族の両隣は、いずれも子供連れのお客だ。

「生サーモンを山葵抜きでね!」

「イクラとウニ、山葵抜いてください!」

「中トロも、山葵無しで!」

見れば、2~3歳の男の子が、

「ちゅぶちゅぶ、おいちいね~♪」

小学生くらいの女の子は、黙々と、高級な「にぎり」を注文。

私が小さかった頃は、子供は「巻物」か「玉子」と相場が決まっていたが、何時の頃から、こんなに高級志向になってしまったのか・・・。

「我が家の○○もすぐ、こうなるんだろうか・・・」

と、皆で、「ひめ」のことを思った。

「少子化と言えども、日本の【寿司業界】も安泰だわね。 こんな小さな頃から、高級魚に慣れ親しんでいるのだから・・・」

小さな男の子達の連れは、明らかに彼らのお祖母ちゃんだ。

「今の子は、両親、その祖父母、叔父や叔母、沢山のポケット(スポンサー)を持っていて、羨ましい限りだよ!」

子供のいない長男夫婦は、複雑な思いで眺めていた。

そう言えば、次男坊から2~3日前に送られてきた、「ひめ」の映像。
生意気にも、三輪車に乗っていた。(試乗だそうな)

「ご機嫌で、降りなかったんだよ!」

得意げ(?)な息子のコメントが添えられている。

「ハイ、ハイ! ○○の三輪車は、どちらのお祖母ちゃんが出すんでしょうね~」

と、婆の独り言は、いささか自嘲気味だ。(笑)
早いもので、次男坊も結婚して4年が過ぎた。
結婚と同時に隣県に越して行ったので、その暮らしぶりは知りようも無かった。
「ひめ」が生まれてから、毎月、お里帰り(?)をするようになり、次男坊の日常を垣間見ることとなった。

先日、出社する息子を見送った際、何かを踏んだらしく、靴の底に白いものが見えた。
帰宅した際、それを調べてみると・・・。
何かが付着しているのではなく、履き潰されて、磨り減って、靴底が白くなっていたのだ。

若い頃は、「少数精鋭主義(?)」で、高価なものに囲まれていた次男坊。
自分達だけで生活しだすと、こうも変わってくるものか・・・。
と言うより、今の彼の収入に見合った生活なのか・・・。

見事に磨り減った靴を眺めながら、胸が詰まった。

「靴、プレゼントするから・・・」

甘い(?)母親は、直ぐに、軍資金を渡したけれど、

「忙しくて、買いに行く時間が無いよ!」

と、今朝も、草臥れた靴を履いて出勤していった。


今日は「秋分の日」で、休日だ。
が、我が家の二人の息子は、長男も次男もいつも通りの勤務だ。
優雅(?)に、主人だけが休日を楽しんでいる。
その主人も、祖父たちから比べると・・・。

なんだか、日本の現状は、段々、厳しくなって居るようだ。
子供の成長は本当に目覚しいものがある。
3週間前に会った時は、赤ちゃん赤ちゃんしていた「ひめ」が、オーバーオールなど着込み、もう、立派なキッズに変身。
何処がウエストか分からないような、ふっくらとしたキューピー体型を、そのオーバーオールは可愛く覆っていた。

「わぁ~! 我が家の石ちゃん(タレントの石塚氏)だ!」

やや、小ぶりながら、しっかりとした体つきで、「ひめ」なりに成長している。
ちょっと前までは「寝んね」のために、座布団が必用だったのに、今は、立つ事が嬉しく、面白くてならないようだ。

ママ公認の「ふわふわ煎餅」を嬉しそうに頬張る。
先日、スーパーに行った際、購入しておいた。
昔の育児方法と違って、大人のものを何でも食べさせると言うのではないらしく、手を出すことも出来ず、新米婆は目を白黒。
もっぱら、

「可愛い! 可愛いね~♪」

を、繰り返すのみ。

DNAの関係か、「ひめ」の額はかなり広い。
息子も、私も、実家の母も、「デコちゃん」だったから、「ひめ」も似て居るのだろう。

「婆と同じで、○○ちゃんのおでこは運動会出来るね~」

可愛くて、褒め言葉で言ったのに、「ひめ」は途端に、不機嫌になる。

「喋れなくても、言ってることは分かるみたいですよ」

と、ママに、やんわり睨まれる。(笑)

「1歳の○○ちゃんの頭の中と婆の頭の中は同じだったりして・・・」

途端に、又、家族中から、ブーイング。
我が家で、一番幼い頭の持ち主は、どうやら、私のようだ。(笑)

皆の愛情たっぷりのオーラをふんだんに浴びた「ひめ」は、ママのお里に上機嫌で戻って行った。

「お母さん! ○○君(息子のこと)、お願いいたします!」

実家に二人を送り届けて帰宅した息子。 僅か数分の時間に、父親から息子の顔に戻っている。
変則的な「お里帰り」だけれど、これが、彼らなりの息抜き方法なのだと感じた。

またまた、息子の世話に明け暮れる母親。
日頃、怠けている身には、良い刺激かもしれない・・・。
結婚9年目を迎える長男夫婦。 子供がいない所為もあってか、凄く仲が良い。
いつまでも、友達感覚で、傍で見ていても気分が良い。
その、仲の良い夫婦が居住する二階から、なにやら怒鳴り声が・・・。

「遅れちゃうよ!」

早朝勤務の仕事について2ヶ月目。 緊張感が薄れたのか、このところ、起床が遅くなり、母親はオロオロしているのだ。
初めの1ヶ月は、保険(?)の為、

「5時にブザー鳴らしてよ」

との約束通り、5時になると、チャイムを鳴らし、

「おはよう!」

「おはようございます」

お嫁ちゃんとの会話が恒例であった。

「もう軌道に乗ったから、起こさなくてもいいよ~」

と、言われた矢先の遅刻。
おろおろと、気をもむ私に、

「もう、大人なんだから、放っておけ!」

と、冷たく主人は言い放つ。
確かに、私の必要以上の【過保護】が長男の自立を妨げているのだ・・・と、深く反省。

もう一度、膝の上に乗る頃から、子育てをしなおしたい・・・。(クシュン)

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