ただいま~♪
楽しかった! 真冬に戻ったような寒さだったが、楽しかった!
一緒に行った友人も私も、関東の生まれ育ちだから、鎌倉は数え切れないほど来ている。
年に、5回以上は来てるかもしれない・・・。
それでも、日帰り圏内の鎌倉に宿泊することは初めてだったので、新鮮な思いがした。

今回のお目当ては、【鎌倉文学館】。
国の有形文化財にも登録されている、旧前田侯爵の別邸だ。
昔の人は、何と贅沢な・・・。
高台に建っているお屋敷は、東京の古河庭園にある館によく似ている。
同時代の建物なのか、設計者が同じ人なのか・・・。

三島由紀夫氏の小説【春の雪】にも、この鎌倉別邸がモデルとなって登場しているそうな。
お天気が良かったならば、輝く由比ガ浜の海が望めるそうだ。
生憎のお天気で、春の海は望めなかったが、又、5月になったら、広大な庭園に咲くバラの花を愛でに来ようか。

鎌倉に来ながら、観光(?)は長谷寺と鶴岡八幡宮のみ。
後は、もっぱらお喋りと食事とショッピング。
特に、「食」は今回は当ったようで、全て美味しかった。(笑)

宿泊は、七里ガ浜に面した高台にある、【鎌倉プ☆☆スホテル】。
道路側からは二階建ての建物に見えるが、実際は4階建ての建物だ。
カーブして建てられた建物は、シティホテルよりは、ややコンパクトに作られているが、なかなか気持ちの良い室内であった。
夕方、海面に沈むお日さまの神秘的な様にしばし、言葉を忘れて見入った。
曇り日だったから、厚い雲間に見え隠れするように沈んでいく、ゆがんだようなオレンジの塊。
鎌倉に泊まって良かったと思った瞬間だ。

海岸に面したリゾートホテルだから、シーズン時は、さぞや高いのだろうが、今はオフ。 しかも、「早割り申し込み」だから、いたって格安の料金だった。
特に、食事は値段の割りにはパーフェクト。
当たり前のことかも知れないが、私の我侭にも臨機に応じてくれて感激した。
私は、肉類(特に牛肉)が苦手なのだ。
自分からは、絶対に手にしない食材だ。

「メインを魚に変えていただけますか?」

と言う私の注文に、

「魚料理として、鰆のポワレをご用意してます。 メインには、帆立貝のローストなど如何でしょうか・・・」

「大好きです! よろしくお願いします」

そして、一度、厨房に戻ったスタッフが困ったような顔をして、又戻ってきた。

「前菜の鴨のローストや生ハムは大丈夫でしょうか。 シェフが心配してますが・・・」

「大丈夫です。 生ハムも鴨も大好きです!」(笑)

納得してスタッフは席を離れたが、

「何て、可笑しなお客だと思うでしょうね~。 肉が嫌いと言っても、ステーキが弱いだけで、あとは結構、食べられちゃうんだ・・・」(笑)

白のグラスワインで乾杯しながら、友人とのひと時を楽しんだ。
前菜も主菜もパンも、牛蒡のポタージュも、沢山のデザート(バイキング)も、何もかも満足だった。
特に、付け合せの芽キャベツに感動。
昔は良く使った食材だったのに、最近はとんとご無沙汰だ。
ほろ苦い春特有の味を楽しんだ。

暗い夜の海には、江ノ島の灯台の明かりも見えて、

「江ノ島の橋って、あんなに長かった~?」

と、幼い頃からの話に飛んでいく。
あちらこちら、行ったり戻ったり、友人との会話は気取ることなく楽しかった。

朝食は和洋折衷のバイキング。
シェフがお好みのオムレツを調理してくれて、大満足。
昼は、若宮王子の韓国料理店で、【冷麺】を。

いつも、気ままな旅に付き合ってくれる友人に感謝。
次回は何処にしようか・・・。
お互いに、体が元気なうちに・・・と、強く思った。
相変わらず、手足は痛む。

いつまで、「気まま旅」が続けられるだろうか・・・。


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(私信で失礼!)

☆韓ドラペコさん!

留守してて、お返事遅れてミアネヨ!
今は、ちょっと雑用が忙しく、落ち着いてDVDも見る時間がありません。
4月になると暇が出来ますので、その時に「ベートーベン・・・」、貸してね~♪
楽しみにしてます。
2~3日中に、サプライズ、届くと思います。 キダリセヨ!
「どうせ、子供達は宿題に追われて忙しいだろうから、空いてるよ! 帝釈天でも行こうよ!」

と、いささか、認識(?)に欠けた息子夫婦に誘われて、柴又に車を走らせた。
昨年、次男夫婦のところに「ひめ」が誕生したものの、我が家は、れっき(?)とした大人だけの所帯だ。
子供の行事には、年々、疎くなっている。

柴又の帝釈天に着く前に、腹ごしらえ・・・とばかり、行く道すがらの大型ショッピング・モールへ入ることに。
そして、驚いた! 店内は、子供・子供・子供がウジャウジャ・・・。

「宿題でフーフー言ってる頃じゃないの〜?」

「少子化って騒いでる国は何処に〜?」

「休日のお昼のピークって、いつもより時間がずれてるはずじゃないの〜?」

本当に、自分達の認識の甘さに、ただただ、苦笑するのみ。
それでも、待ち人数の少なそうな店を見つけて、昼食をとった。
その店は、韓国風とも和風とも中華風とも言いがたい、不思議な店だった。

スタッフの女の子は、きびきびと適切な応対振りで、好感度も上昇。
各自、それぞれ、別メニューだったのに、混乱することも無く、(当たり前のことだが)スムーズにことが運ぶ。
昨今は、その当たり前のことが出来ていない、客商売の原点は何か・・・と言うことも教えてない、プロ意識に欠ける店が多いようだ。

出された料理は・・・、

「当り! 美味しいね〜♪」

支払いは、珍しく、息子が持つという。
働き出して、1ヶ月。 やはり、自分で稼いだお金は格別のものなのだろう。

家の近くでは手に入らない、お気に入りのコーヒーも大量に買い込み、柴又へ。
そして、驚いた。 先日来の雨のため、近くの川原は、「冠水」の為、駐車禁止。
西だけでなく、東京の東も雨はひどかったのか。 相当の降りで、川原の土手下にある、ヒロシとさくらの家は怖かっただろうに・・・と、話し合った。

本当に、映画の中の住人なのに、この柴又に来ると、寅さんをはじめ、おいちゃんや小母ちゃん、大将などが歩いていそうで、ワクワクする。

早々と参拝を済まし、夏のギラギラ太陽をさえぎる為、入った一軒の店(茶店風)。
打ち水も涼やかな、入り口を入ると、なにやら、そこは昭和の時代にタイムスリップしたような、ゆったりと落ち着いた店だった。

頭がキーンと痛くなるような、「氷イチゴ」を食べながら、ひと時の涼を満喫した。
真綿のような、絹のような舌触りの薄い氷は、舌の上で、甘く溶けて行く。
食後に頂いた、熱い「蕎麦茶」がなんとも言えず、爽やかだ。
涼しい店内で、冷たい氷の後、熱いお茶を喫する。

「贅沢だね!」

こんな、ひと時を愛するようになったなんて・・・。
息子夫婦も大人になったものだと、ちょっぴり嬉しかった。

そして、夕方。
近所のスーパーの、異常ともいえる混雑振り。

今年の夏は、

  【安・近・短】

だったそうだが、まさに、膚で実感した一日だった。
モンゴメリの【赤毛のアン】は、1908年が初版だから、今年で100年を迎えたことになる。
全地球上の多くの国で愛され、どれだけの人々に読まれていることか・・・。

私の生まれて初めての海外旅行は、「プリンスエドワード島」だった。
カナダの東海岸、セントローレンス湾に浮かぶ小さな島。
無謀にも、やはり、海外は初めて・・・と言う友人との二人旅。
しかも、選んだ旅行会社は、大手の「J○B」でも「○畿ツーリスト」でも無く、カナダを得意としてる、個人の小さな旅行会社だった。

こちらの望むことを全て、組み入れてくれてのプランの作成。
初心者なのに、ニューヨークで、乗り換えてカナダに行くという。 しかも添乗員無しで。
要所要所には、日本人の通訳の方を配置してくださったけれど、基本は自分達のみ。
錆びついた拙い英語力で、何処まで通用するか・・・。 一種の賭けのようなものだった。

きめ細かく、レクチャーも受けて、いざ出発。
憧れのプリンスエドワード島は、まさしくアンが息づいている島だった。
アンの世界がそこかしこに。 今にも、髪を振り乱し、帽子に手を添えたアンが駆けて来るような・・・。

連泊したところは、【B & B】。 朝食と部屋だけを提供すると言う、ペンションのような施設だ。
地続きの所為か、アメリカからの車での旅行者が多かった。
朝、香ばしい香りと共に起こされて、階下のダイニングへと足を運ぶ。
ご自慢の焼きたてのパンがずらり・・・と、並ぶ。
顔馴染みとなったアメリカ人ご夫婦が遠くから声をかけてくれる。
言葉の違いなど何も感じることなく、皆、美味しい朝食を楽しむ。

メインのテーブルに、若い日本人男性を発見。
だが、にこやかに微笑んだ私達を、なんと、彼は無視。
カタコトの英語と、身振り手振りで会話を楽しんでいる私達を冷ややかな眼差しで見てる。
どうも、彼は、日本でも有名(?)な大学に通学中とのこと。
クィーンズ・イングリッシュの気障(?)な英語を喋る彼にとって、私達小母さん族は破廉恥に映ったのだろうか。
滞在中、同胞なのに、一言も喋らなかった。

それでも、地図を片手に、シャーロットタウンの町を散策。
あの頃は、目抜きの通りには信号機が一台あるのみ。
のどかな、静かな町だった。
お店屋さんの売り子とも顔馴染みになるような小さな街。

朝の散策時、ゴミの収集の小父さんに出会う。

「モーニン!」

ウォーキング時の小母さんも

「モーニン!」

誰も彼も、生き生きと生活をエンジョイしてる。
活字(本)だけでは分からない、生の生活がここにはある。
まさに、旅行の醍醐味を膚で感じた。
惜しむらくは、もっと、若いうちに経験しておくのだった・・・と後悔している。

ところが、昨今のお若い人は、海外旅行には全く興味が無くなってきてるとか・・・。
勿体無いことだと感じている。
自分の目で、耳で、膚で、異国を感じて欲しいのだ。
若い人のエネルギーが、これからの日本に、どれだけの貢献となることか・・・。

私の部屋の扉には、赤毛のお下げ髪の帽子をリース代わりに飾ってある。
もう一度、プリンスエドワード島に行きたいものだ・・・♪
「川越に行こうよ〜♪」

 息子夫婦に連れ出されて、主人も重い腰を上げた。
この処の、気の滅入る日々から、少しでも開放されれば・・・との息子達の思いに、主人なりに応えたのだろう。

「お前達の車だぞ! 俺は後ろで寝ていくから・・・」

 最近は、疲れの所為か、滅多に自分の車も運転せず、もっぱら、息子任せ。
疲労もピークに来てるのか・・・。

 始終、来てる川越なのに、息子夫婦は裏の小道まで詳しくて、私達老夫婦は目を白黒と。
義経の正妻(静御前に非ず)の墓所があるお寺だったり、白象の飾られてるお寺だったりと、思わぬ寺を発見したりした。

 「チャンチキ・・・、チンチン♪」

 という、音色に誘われて、豪華な山車に遭遇したり、とても面白かった。

 川越は街中、何処へ行っても、「鰻の匂い」が充満してる。
ちょっと、おなかを壊してる主人の要望で、鰻ならず饂飩の食事となった。
少し残念だが、それはそれで美味しく、何を食べても、家族一緒の行動は楽しく、童心に返っての、「団子の食べ歩き」も乙なものだ。
観光地ならではの特権か・・・?!

【安・近・短】を地で行った、我が家の連休。
家族皆で、わちゃわちゃ・・・。
帰りに菖蒲も買って。

「結構、面白かったな〜♪」

 主人の言葉が何よりの、息子へのプレゼントの連休だった。
 欧米諸国と違って、日本には、「チップ」の習慣が無い。
今は、レストランやホテルでも、サービス料がちゃんと加算されているから、その必要は無いのかもしれない。

 海外旅行で、いつも頭を悩ますのが、このチップのことだ。
金額はどのくらい〜? 何時渡したらいいのだろうか〜。
むき出しで渡すのは失礼かしら・・・、etc.

 よく言われている、ホテルでの枕の下に置く、「ピローチップ」も、今時、律儀にするのは日本人くらいだとか・・・。

 チップの習慣が無い日本でも、昔から、「心づけ」や「おひねり」の習慣はある。
旅館などで、子供や老人連れで、我侭を通してもらった時や、特別に世話をかけた時など、「ポチ袋」に入れて、「心づけ」を渡していた。
金額も、2.000〜3.000円。 チップの、500円どまりから見ると、金額も大幅に多いようだ。

 今回のソウルでも、チップのことは、結構、悩んだ。
韓国も、日本と同様、チップの習慣は無い国だと聞いている。
それでも、お世話になった気持ちとして、いくばくかのお金を包むことに皆の意見は一致した。
4日間、部屋を綺麗にしてくださる係りの人へは、一人、1.000ウォン(105円くらい)を毎日。
タクシーの運転手さんには、お釣りの端数の小銭(50円くらい)をと。

 旅行、二日目の朝、「あわび粥」の店の人がホテルまで、迎えに来てくれた。
8時からのバスツアーに間に合うように、7時に迎えに来てくれて、食事を済ませた後、集合場所まで送ってくれると言うのだ。

 迎えに来てくれた人は、余り、日本語が分からない人だったけれど、感じの良い人だった。
車を降りる時、さり気なく、懐紙に包んだチップ(3.000ウォン)を手渡した。
初め、困惑気味にしていたが、結局、ニコニコと笑顔で受け取ってくれた。

 ところが、後で、ガイドさんに聞いたところ、その人は、「お粥の店」のオーナーで、あの辺り(明洞地域)でも有名な企業家だそうな。
ソウル郊外の大きな梨園の御曹司だという。
早朝のことゆえ、手が足りなかったので、オーナーが自ら、迎えに出たのだろう。
知らなかったとは言え、恥ずかしくて、顔から火が出る思いだった。

 一般に、日本人はチップの金額は、他の国の人より多いと言われている。
欧米人は、生まれた時から馴染んでる習慣だから、構えることなく、気軽に出来るのだろう。

 本当に、難しい習慣だ。 
文化の違いだろうか、芸人に対しての、「おひねり」ひとつ、とっても、懐紙で包む日本人と、むき出しのまま投げ入れる外国の人と・・・。

 難しい事だらけだ・・・。(フー!)
 昨晩の「笑っていいともSP」でのMCの服装が、パジャマのように見えた・・・に、多いに反応している。(笑)
服装というのは、本当に難しい。

 今回、我々がソウルで宿泊したホテルは、ソウルタワーとソウル駅に挟まれた処に位置する、米国系の大きなホテルだった。
カードが無いと、エレベーターすら開閉できないという、セキュリティーの徹底振り。
大勢のスタッフも、お客には、つかず離れずといった接し方で、すこぶる居心地の良いホテルであった。

 街中なのに、スポーツジムもあるし、プールもあると聞いていたので、

「絶対、水着、持参ね!」

 と、楽しみにしていた。

 仲間の一人が、プールに行く為に着込んだファッションを見て、唖然とする。
黄色のタオル地で作られた、上下のそれは、どう見てもパジャマだ。
案の定、エレベーターで乗り合わせた他のお客からは、冷たい視線が投げかけられた。
(今時、公共の場である、ホテルの廊下をパジャマ姿で歩く人が居るの〜?)

 多分、私が着込んだ、スポーツ・ウエアーの何倍もの価格がするであろう、その黄色のウエアー。

「ブランドもので、凄くお高いのよ!」

 と、誇らしげに着てた友人だったが、二回目のプールに行く時は、私の背中の後ろに隠れるようにしていた。

 自分の好きなものを着ればよい・・・とばかり、昨今は、昔ほど煩く言われなくなったが、やはり、ホテルというのは緊張する。
庶民の私は、ついビクビク。 いつまで経っても、場馴れない自分がおかしい。(笑)
 「ヨン様命」という、友人のために、「冬ソナツアー」に参加した。
実は、私は、4年前にも一度訪れているところなので、余り、期待はしてなかったのだが・・・。
どうして、どうして、なかなか、面白いツアーであった。
見学場所も大幅に増えて、昼・夜の食事が付いて、ツアー代金は30%も安くなっているのだから、どういう仕組みになっているのだろう。

 ドラマの中のシーンを髣髴させるロケ現場は、やはり、実際に自分がその地に立ってみると興奮してくる。
ユジン(チェ・ジウさん扮するヒロイン)の母親が洋品店を出していたという市場を見学。
豚の頭が、いくつも並べられてるのにはびっくり。
靴が並べられてる中に、可愛いお鍋がいくつも飾られていたり、鞄と一緒に靴下とか外国産のお菓子など、その雑多な品の置き方には皆、口をアングリ開けたままだ。

 あちらでは、ラーメンはお鍋のまま、食卓に出すそうな。
蓋が、取り皿代わりになるそうだ。 その所為かどうか知らないが、お鍋は皆、小ぶり。 そして、蓋も色が鮮やかだ。 柄物も或る。

「あのお鍋、買って行きたいね〜」

 と、ツアー客の誰もが思ったほど、可愛いお鍋だった。

 そして、前回のツアーに含まれてなく、今回のコースに新たに組み込まれたのが、

  【蕎麦打ち体験】だった。

 ソウルの北東に位置する、江原道(カンウォンド)の首都は春川(チュンチョン)だ。
その春川の名物が「マッククス」、いわゆる、「韓国風冷やし蕎麦」だ。
有名な冷麺と違って、この蕎麦は100%、蕎麦粉を使う。

 観光に力を入れてる、江原道の自治体が、自ら職員を派遣し、観光客に「蕎麦打ち体験」をしてもらうという企画なのだ。
蕎麦粉を捏ねる容器は、ステンレス製のボールだ。 日本のような素敵な漆塗りの容器では無いけれど、水を打ち、蕎麦粉を円く捏ねるのは同じ仕法だ。
そして捏ねあがった丸い蕎麦粉の塊を、日本は、麺棒で平らに伸して、庖丁で切っていく。

 春川のそれは、驚いたことに器械に押し込む。
肉屋さんの「挽肉器」のような器械に蕎麦粉の塊を入れて、上から押し出すのだ。
穴から均等に、細く出てきた蕎麦を下でグラグラと煮え立つ鍋が待っている。

 蕎麦粉を捏ねるのは、有志の数人が挑戦したが、器械から押し出すために、梃子の原理のような棒が使われる。
その棒を、皆で押すのだが、思った以上の力が居るのだ。
ここで、全員参加。 きゃぁ〜きゃぁ〜言いながら、皆で棒に触れた。

 茹で上がった麺を、若いお兄さんが、ボールの中で薬味と一緒に混ぜ合わす。
お定まりのコチジャン、のり、山菜など、そこいらじゅうの野菜を混ぜ合わせ、酢、砂糖で味を調える。
試食タイムの、皆の晴れバレとした顔、顔、顔。
昼食時に食べた、プロの作った「マッククス」より、数倍も美味しかった。

 何しろ、一緒に指導し、作ってくれたお兄さん。 聞けば、江原道の役所から派遣されてきた人だとか。
韓流スター並みの容姿に、皆のカメラのシャッター音が一団とけたたましい。(笑)
「ヨン様命」の友人も、満面の笑みを浮かべていたから、案内した私もホッとした。

 ちなみに、「マッククス」とは、そこいらじゅうのモノを手っ取り早く集めて・・・と言った意味があるとか。
春川育ちのガイドさんは、子供の頃から、親が忙しいとこれを作って食べていたので、飽き飽きしてる顔だった。

 蕎麦の原産地はいろいろ、説があるようだが、ヒマラヤだとされている。
昔、シルクロードを経由して、中国、韓国、そして日本へ伝わってきたのだという。
何でも、お米よりも前に渡来したとか。

 日本の蕎麦と全く違う触感で、同じ蕎麦粉なのに・・・と、不思議に思った。
でも、これはこれで、美味しい〜♪
 ご多分に漏れず、ソウルの街も「再開発」の波が進んでいる。
明洞に近い、タイルの店が並ぶ通りも、壁面やウインドーには、「チョルコ」の大きな文字が躍っている。

 幼稚園児が覚えたての文字を片端から読むが如く、私も目に入る文字を声を出して読み始める。

「チョルコ・・・?」

 どの店にもどの店にも、この文字が大きく書かれている。

「何なんだろう・・・」

 と、訝しがる私に、ガイドさんが、

「撤去です。 此処も、再開発の予定地なんです」と。

 今、韓国の人口は約4.600万人。
そのうち、ソウルに1.000万人。 首都圏をあわせると、韓国全人口の半数がソウル首都圏に住むという。
東京の過密ぶりより、さらに過密なソウル。
だから、その狭い土地ゆえ、見渡す限り高層マンション群が立ち並ぶ。
日本以上に、「格差」は衣・食・住に及んでいるようだ。

 ソウルの中央に滔々と流れる大河、「漢江(ハンガン)」。
その河の南、江南(かんなみ)は高級地区。
庶民の手の届かないブテッイクやカフェ・レストランが立ち並ぶ。
東京の広尾や西麻布といった雰囲気だ。
人気スターも、大半はこの地域に住んでいるとか・・・。

 今回、「ヨン様命」の友人が一緒だったから、彼がプロデュースした「キッチン・ゴリラ」というイタリアンの店でランチを食べた。
牛肉のカルパッチョのサラダ兼前菜と、魚介たっぷりのパスタ。
そして食後に大きめのカップのアメリカン・コーヒー。
明洞で食べたら、きっと半分の値段だろう。
客筋も、明らかに日本人を含めた観光客。
韓国人は・・・というと、地元でもエリートとされている企業の人か、お金持ちのお嬢様方だ。
身につけてるファッションや雰囲気は明らかに南大門市場や東大門の庶民とは違っている。

 日本語を上手に操るガイドさんが言うには

「皆、就職が少しでも他人より有利になる為に、真剣に勉強してる」と。
タクシーの運転手さん然り。 街の店の店員然り。
皆、より上層の生活を夢見て、頑張っているようだ。
生活が掛かっている勉強と、趣味の勉強との差を歴然と示されて、ちょっと、意気消沈の我々なのだけど・・・。

 韓国にも有名企業が多いから、御曹司もかなり居る。
ドラマや映画の世界と同じように、「玉の輿」の話も多いようだ。
今、ソウルでもっともトレンディなのが「登山」だそうだ。
余り、高い山が無い韓国だが、ちょっと高い山での、「愛の出会い」があるそうで、妙齢の娘を持つ親は、

「あんた! 登山でもして来なさいよ!」

 が、笑い話になって居るとか・・・。

 日本と同じに、資源のあまり無い国の悲哀が、学歴競争を生んでる背景なのか・・・と、ちょっぴり、他人事とは思えなかった。

 「チョルコ(撤去)」の大きな文字が未だに目に焼きついている。
 ただいま〜♪ 
桜は未だ一分咲きだが、黄色い連翹、白い木蓮(日本より小粒で、こぶしに近い大きさ)鮮やかなピンクのチンダレ(つつじの一種)、未だ咲き誇っている梅、桃と、色とりどりの花が一斉に迎えてくれて、北国の春は実に綺麗だ。

 何のトラブルも、アクシデントも無く、元気に楽しんで来れたことが一番嬉しい。
日頃から一緒に勉強してる、ハングル仲間との旅行なので、方向性が共通の所為か、何をするにも楽だ。
帰国後、羽田空港に到着するや否や、

「又、キンポ空港に飛んで行きたい・・・」

 と、切に思ったほどだった。
但し、留守宅の家の散らかりぶりを想像するに、気持ちはショボン・・・としてくるのだが。(笑)

 ともかく、4日間。 美味しくて、面白くて、楽しい旅だった。
追々、思い出しながら、ソウルでの話も書いて行きたいと思う。

 その話の一つ目。
羽田空港・国際線の入国ロビーに出てきたら、大勢の人とカメラに出迎えられ、ちょっとびっくり。
何と、同じ飛行機で、韓国の映画スターが来日したとか・・・。
今、騒がれてる韓流スターではなく、往年の映画スターとかで、出迎えのファンの数こそ少なかったが、大した混雑振りだ。
これを見ても、成田空港での5000人とも6,000人とも言われてる韓流スター出迎えファンの数は、一体どれほどの熱気だったのか・・・と、改めて、その混雑振りを想像した。

 今回で三回目のソウルだが、行く度ごとに新たな発見があって、面白い!
 東京は朝から冷たい雨が振ってます。
2月下旬の寒さだとか。 でも、この雨で、桜もちょっと「延命」か・・・と、天気予報のお姉さんが言ってました。

 明日から4日間、ソウルへ行って来ます。
三度目の訪韓ですが、春のソウルは初めてで、何か、心が躍ります。
仙台と同じ位の緯度に位置するソウルです。
桜を見ることが出来るでしょうか。 連翹が綺麗だから・・・と、教えられました。
北国の春と同じで、きっと、いっせいに色とりどりの花が咲くのでしょうね〜。

 一緒の仲間は、旅慣れた人たちですが、韓国は初めてとのこと。
旨く、案内できるか、ちょっと、心もとない私(笑)ですが、珍道中、楽しんできます。

 行って来ます!
 三日後に、ソウルへの旅行を控えた私の元に、連日、現地の情報を配信してくる航空会社。
天気予報・両替のレートに始まって、ソウルの情報を毎日、送ってくる。

 今朝、配信された記事の中で、目新しい言葉が、「チムタク」だ。
鶏肉と、ジャガイモなどの野菜をじっくり煮込んだ食べ物らしい。
唐辛子のピリピリ感がなんとも言えず、美味しいそうだ。
今、ソウルの間では、女子大生に一押しの人気だとか・・・。

 日本国内でも、美味しい「韓国料理」は食べられるが、折角、現地に行くのだから、珍しいものを堪能したい。
初めて目にした、「チムタク」。
なにやら、楽しみになってきた。

 日本人にも大好評なお粥料理の店も紹介された。
問題は、電話で予約が通じるか・・・。
相手の目を見て、ジェスチャーを交えて、片言のハングルなら自信(?)はあるけど・・・。
見えない相手に、早口で喋られたら、もうお手上げだ。

 でも、「チムタク」、どんなものか、見て味わってみたい!
 趣味が「旅行」の私だけれど、お嫁さん時代は勿論、子育ての真っ最中も出かけることは無く、50歳を過ぎてから、猛然とあちらこちらと、行きだした。
まるで、借りを返してもらう勢いの如くにだ。
「海外保険」の件数も、知り合いの代理店では、常にトップを争っているとかいないとか・・・。(笑)

 今年初めての海外旅行は、三度目の「ソウル」。
ハングル仲間との旅行だ。 東京から僅か、2時間。 国内旅行と大して変わらない距離だ。
好きな韓国料理を堪能してこようと思っている。
今、私の贔屓のソン・スンホン。 彼の映画、【宿命】が上映中だとか。
知り合いの方の友人が、初日の舞台挨拶で、本人を見たとか・・・。 まさか、まさか・・・とは思うけど、一緒に行く友人も興奮気味だ。(笑)

 我が家の主人は、明治生まれの母に育てられた所為で、お湯一つ、自分では沸かすことが出来ない。
何でも、

「お〜い!」

 で、女房が動くものと思っている。
そんな主人でも、何故か、私の旅行に関しては、文句を言ったことが無い。

「最長2週間で頼むや・・・」

 唯一の注文がこれだった。
2週間くらいなら、外食で我慢できると言う。 コンビニにも、一人で入れるようになったから、大丈夫だと言う。

「気をつけて、楽しんで来いや・・・」

 出発までの1週間。 主人のクスリも、日付の書いた袋にきちんと納める。
Yシャツ・下着類も、一日分をセットして袋に置いておく。
猫の世話だけはしてもらわなければならないが、あとは、なるたけ迷惑を掛けないように準備しておく。
遊びに出かけるほうも、結構、大変だ。(笑)

 あと、六つ寝ると・・・。 ソウルが待っている。
 穏やか・・・って、気候のことでは無い。
まったり、ふんわか、心が「穏やか」だった一日のことだ。

 来月の、小母さん4人組のソウル旅行を前に、【予行演習】を兼ねて、羽田飛行場まで遊びに行って来た。
羽田の国際線は、「これが首都・東京〜?」とびっくりするほどの小規模でのんびりとした場所だ。
成田空港の混雑振りから比して、ここが国際(?)空港だと言うことを忘れさせてしまうほどだ。
出発ロビーのフロアーは、何処を間違っても、見落とすことの無い広さ(狭さ)だし、海外が初めての友人でも、安心したようだ。

 「当日、今日と同じ時間に、この場所(外貨両替所)で待ってるからね〜」

「ここなら、何処に居ても、見つけてもらえそう・・・(笑)」

 下見が終わり、羽田空港のメインの場所まで、循環バスで戻ることに。
本来の羽田飛行場も見てあげないと、なんか、片手落ちのような気が・・・。(笑)
なにやら、ワクワクしてくるほど、それもかなり、高級店が軒を並べているような・・・。

 スタッフの洗練された応対の良さに、ついつい、財布の紐も緩みがち。
普段なら、裏を、表をひっくり返すほど丁寧に選ぶのに、仲間4人の気安さか、ついつい、雰囲気に負けて、即、購入。
春らしく軽いバッグは、チェリーの付属品と共に、かなり、好感度が高かった。

 小奇麗で、美味しくて、案外安くて・・・と、三拍子揃ったレストランで昼食をとり、場所を変えて、甘いものに舌鼓。
結局、分かったことは、何も、高いお金を出して旅行に行かなくても、気のあった仲間と、わいわいガヤガヤすることが一番なのだ・・・と言うことだ。

 友人も、手ごろなキャリーバッグを購入し、何処からか帰国したような気分になって、満足げであった。
一足早い、春(?)の一日。
羽田への予行演習は、楽しく散会となった。

 家へ戻り、鼻歌交じりに「バッグ」を取り出し、中を改めて見ると、何と!

「Made in China・・・!?」

 一瞬、がくんと落ち込んだけれど、口に入れるものでは無いし・・・、かわいくて素敵だし・・・と、自分に言い聞かせた。
(一体、何様〜? いくつなの〜?・・・笑)

 気持ち良い日が過ごせた夜は快眠できるようで、朝までぐっすり・・・のはずが、5匹の猫に4時頃から起こされて、ちょっと、お冠。
家人は、皆、爆睡中。

 美味しいコーヒーでも淹れますか・・・♪
世の中、「十人十色」と言われているように、3人寄れば、皆それぞれの考えも在るだろうから、物事はそう簡単にいかないことは百も承知のことだったが・・・。
それにしても、たかが、三泊四日ほどの旅行の企画がこんなにも難しいこととは思っても見なかった。

ハングルを習いだして、足掛け3年。 仲間内で、

「一緒にソウルに行こうね〜!」

と、言い出して、もう2年が過ぎた。
その間、何だかんだと、仲間の都合が付かず延期になっていた。
私が個人旅行を好むわけは、この煩わしさからの逃げも在るのかもしれない。

三度目の正直とばかり、今回は、私が強引に企画を押し通した。
それぞれの希望点を書き出し、それがクリアーできたら、何が何でも【GO!】だろう・・・と。

憧れのヨンさまの【冬のソナタ】のロケ地ツアーも入れたし、
ソウルの世界遺産も見てみたいし、
(南大門の焼失はとても残念!)
美味しい韓国料理も食べたいし、
ホテルもデラックスなところに決めたし、
出発は成田からではなく羽田にしたし、
春の卒業旅行時とGWは避けて、価格の安い「穴」の時期を見つけたし、

私としては、精一杯、皆の希望を容れての計画なのに・・・。
旅行会社との窓口になる、私の苦労も、察して欲しいものだ・・・と、愚痴の一つも出てくる。

旅行が趣味の私だから、いままで、数え切れないほどの旅行をしてきたが、「幹事」がこんなにも大変なことだとは・・・。
明日、仲間4人で最終決定が出る。
果たして、4月のソウル旅行は決行出来るだろうか・・・。

3年前に食べた、春川の【タッカルビ(鳥のカルビ焼き)】。
あれが食べたいために、ロケ地めぐりに参加するのかも知れない。
あの美味しさは、それだけ価値が在るものだと思っている。

仲間の皆にも、あの美味しさ・・・。 知って欲しい・・・。
もう、勉強した年数だけは2年ちょっとになるのだけれど、一向に上達しないハングル。
英語にしても、習った年数の割には成果無しで、語学の才能からは見放されている私。
それでも、性懲りもなく続いて居るのは、ひとえに先生のお人柄と、仲間との語らいのお陰だ。

仲間、4人のうち、私以外は機会が無くて、いまだ、韓国へは行ったことが無い。
気の会う仲間と是非に・・・と言うことで、過去にも何度となく予定を組んだ。
そのたびに、仲間の一人が都合がつかず、流れてしまってる。
今回も・・・。

仲間の一人が急に、昔からの友人グループと2月に一緒に行くことになったので、我々との旅行は5月以降に延ばして欲しいと言ってきた。
連休明けなら、混雑も避けられるだろうからと、予定を組みなおして、計画を練り直した。
ところが・・・。

今回行くことになった昔からのグループの旅行が、思わぬ【大名旅行】で、経費が大幅に予算をオーバーしてしまうと言う。
だから、とても、年内に二度も韓国へは行けないので、今回は辞退するので3人で行ってきて欲しいと言うのだ。

正直、4人で日程を組んでいたから、急に3人で・・・と言われても、ホテルのベッドから考えを変えなければいけないし、なかなか難しい問題となる。
それでも、何とか、お仲間の気に入るようなスケジュールが組めた。
皮肉なことに、抜けてしまった彼女が一番行きたがっていたコースで日程は仕上がった。

別の二人は、狂喜乱舞(?)の如くの勢いで、喜びを伝えてきた。
探せば在るものだ・・・と、計画を練った私も嬉しかった。
どうせ、お金を使うのなら、皆が喜んで行ける日程にしたかったから・・・。

が、もしかして、抜けた彼女がこのスケジュールを聞いたなら、歯軋りして口惜しがるに違いないとも思った。
なぜなら、彼女のグループが組んだ日程は「プサン」が中心だとか。
「ヨンさま命」の彼女が、私達が、「冬のソナタ・ロケ地めぐり」をすると知ったら、それはがっくりすることだろう。
下手すると、あちらをキャンセルして、又、こちらに戻りたいと言うかも知れない。

あんなに歩きたがっていた、春川(チュンチョン)の町並み。
一番、行きたがっていた彼女を残して、我々だけでスケジュールを組んでしまった・・・。
私が悪いわけでは無いけれど、ちょっと後ろめたくて、もやもやしている。
先月末、あの箱根・小田原に震度5強の地震があった日、私は妹と一緒に湯河原温泉に泊まっていた。
思っても見なかった地震を除いては、宿の対応は見事であり、食事も美味しかったし、満足のいくものであった。

ただ、夜中の地震の後の対応にちょっと寂しさを感じて、宿の評価をどう付けたらよいか・・・悩んでいた。
(10月4日 「どう評価をつけようか・・・」 参照)
正直に、感じたままを言った方が良い・・・との意見も参照し、自分なりに評価を出した。

後日、宿の方から返事が来た。
あの地震が起きた後、スタッフは直ぐに隅々まで点検し、異常が無いと判断して、各部屋のお客様を起こすことなく静かにしていたそうだ。
そのコメントを聞いて安心はしたけれど、一声、声を掛けてくれた方がより良かった・・・と、思った。
そして、物事は人それぞれ、感じ方が違うものだと改めて思った。
湯河原の宿の人の名誉の為、

「地震の後の対応はしっかりサポートされていた」

ことを、ここに記したい。

そして、もう一つ、おまけ。
宿の若い板長さん手作りの「塩辛」「わさび漬け」がめちゃめちゃ美味しかったことも、書き加えたい。(笑)
ここ数年来、国内旅行の宿はネットで頼んでいる。
「じゃ○ん」の会員になったのだ。
今回、妹が一時帰国したので、一緒に温泉でも・・・と言うことになり、湯河原の温泉宿を探した。

今回、決めた、「深○」という宿は、何でも、10室以下の旅館の中では、全国でも10指に常にランキングされていると言う宿だそうな。
元は割烹専門だったとかで、お料理の美味しさには定評があるそうだ。
こじんまりとした宿は私も初めての経験なので、不安半分、期待半分と言った所か・・・。

小雨降る中、丁寧に迎えてくれた旅館は、噂にたがわず、綺麗で親切で、その上美味しくて・・・、大満足であった。
部屋での夕食は「秋の懐石」で、出されるものが全て新鮮で私たちを喜ばせた。
相模湾の恵みを大いに堪能。 京都で修行したと言う、若き板長さんの奮闘振りに敬意を抱いた。

肌がすべすべになる温泉にゆっくりつかり、ぐっすりと眠りに付いた夜中のこと。
2時21分。突然、「ドーン!」という、下から突き上げるような振動で目が覚めた。

「地震!」
「すぐ、TVつけて! NHKよ〜」

余震は・・・と、枕を頭に警戒感を強く持ったけれど、その後はピクリともしない。
窓の外も平常と何ら変わることなく穏やかだ。
廊下に出てみたが、全く、物音一つせず、静かなものだ。

部屋に戻り、被害は・・・と、床の間を見たら、花瓶の水が一箇所、こぼれてるだけ。 細長い花瓶は倒れることなく整然としたままだ。

突然、携帯の着信音が鳴り出した。

「箱根と小田原が震度5だって。大丈夫〜?」

息子からの電話だ。 TVでのニュース速報によると、箱根、小田原、熱海が震度5なのに、真ん中の湯河原は震度3だそうな。

「三角形の真ん中が、震度3だなんて、面白いね〜。 プレートの関係かな〜」

その後、余震も無く、明け方を迎えた。
朝食も、夕食に勝るほどの美味しい料理だ。 常に、暖かなものをお客の身になって給仕されるから、まずいわけが無い。

後日、「じゃ○ん」から、宿の評価を査定するメールが届いたけれど、文句無く◎をあげたいのだけれど、あの「地震」の時の宿の対応がちょっと、気になっている。
聞くところによると、箱根・富士屋ホテルでの地震時のスタッフの心配りはさすがであったそうな。

深夜、心細い想いをしてた時、ちょっとのスタッフの言葉かけでもあったら、どんなに良かったのに・・・と、残念で仕方が無い。

どう、評価をつけようか、まだ、迷っている。
 今回は、旅行といっても、行き先は、両国・銀座・日本橋。
私にとっては、子供の頃から馴染みの、実家から全て30分圏内の場所だ。
でも、たとえ、二日間と言えども、ホテル、それも銀座のど真ん中のホテルに宿泊したのだから、歴然と【旅行】の部類に入るのだ。(笑)

 ネットで検索し、数々のユーザーの意見を参考にしたのだけれど、言われてることは、概ね正解だ。
確かに、土地柄の所為か、部屋は広くは無いが、コンパクトに且つセンス有るインテリアは、充分にその狭さを補い、居心地の良い部屋だった。
そして、女性に嬉しい、アメニティグッズの数々。 恒例の、お嫁ちゃんへのお土産(?)として持ち帰ったが、
「女性のリピターが多いのも分かります〜♪」
と言うのが、彼女の感想だ。

「静かね〜。とても、銀座とは思えない。いつも泊まってた渋谷の方が煩いくらいだよ〜」
と、友人は言う。
窓から見えるビルとビルの合間の灯火に、
「人が生活してるんだね〜」
と、当たり前のことを感心しあって眺めていた。

 夜は、築地の寿司処へ。 二人とも、毎食でも飽きない口の寿司好きなのだ。(笑)
予約してから行けよ〜と言う、主人のアドバイスに従い、2件ほど電話を掛けた。
まさか、まさか、一見さんお断りでも無いだろうに、はじめの店は、「ちょっと、満員です」と、断られた。
平日なのに〜?と憮然としてしまう。
二軒目は、
「カウンターと、座敷とどちらをお好みですか〜?」
と、驚くほどの感じよい応対ぶりだ。
何やら、夜が楽しみとばかり、今回の旅行のお目当ての両国へ直行。

 特別展示は、「江戸城」だ。 切符売り場で並び、入場にも並び、人気の程が伺われる。
江戸時代の後期、大火による天守閣の喪失後、幕府は、天守閣の再建よりも、町の復興に力を尽くしたという。
現存ならば、大阪城や名古屋城にも匹敵するような天守閣が、東京の空にも出現していたのだろう。
江戸の昔に戻ったような、12分間のバーチャルな映像は、かなりの人気で、映写会場は、まるで、芋の子を洗うような混雑ぶりだった。
翌日、行った、日本橋の三井美術館のお雛さま展示でも思ったことだが、商人の財力の凄さは、大名をも凌いでいたのでは・・・と。

 お江戸をたっぷり堪能し、夜のお楽しみの築地へと出かける。
「本願寺の隣です」の言葉を頼りに、地下鉄で一駅。
(帰りは歩いてきたけれど、乗るまでも無い近距離だった)
電話の応対以上に感じ良く出迎えてくれ、そして、お寿司の美味しかったこと!
やや小ぶりの握りは、一口で口の中でとろけるような甘さだ。
季節限定の白子の甘酢和えも鮟肝も、アラの味噌汁も、美味しかった。
そして、何よりもスタッフの暖かなもてなしと、意外なほどの廉価な値段に、思わずホクホク顔になってしまう。

 そして、食いしん坊の私達を喜ばせたのが、ホテルの2Fにあるレストランでの朝食。
和洋数々のバイキングは目移りするほどの充実振り。
パンもチーズも、果物も、美味しかった。
朝食つき一泊のお値段が、正真正銘、10,250円なり。
パジャマもバスローブも、何もかもセットされていて、その上、静かな環境ときてるから、女性客、それもお若い人が多かった。

☆3.8の評価は、嘘では無かった・・・。
 昨年までは、週一は会っていた友人と、久し振りに逢瀬(?)の時を持った。
私が、「生涯学習」の受講を個人レッスンに切り替えたので、何故か、会うチャンスも無くなって、最近は、月に一度くらいになってしまった。
でも、そこは、気心の知れた仲だから、会えば、時間は矢のように過ぎていく。

 昨日も、5時間以上、食べたり、喋ったり、お店を覗いたり・・・。
確実に日差しは春を先取りで、陽の落ちる時間が遅くなったようだ。
「わっ〜! もうこんな時間。大変大変!」
と、お互いに主婦の身の上ゆえ、帰りはいつも、そそくさと・・・。(笑)

 坂の多い、神楽坂の街は、裏通りが面白いのだろうけど、所詮観光客には、表のメイン通りで手一杯。
JR・中央線・総武線から大江戸線、東西線と、すこぶるアクセスの良い町だ。
TVの影響か、以前より、そぞろ歩きの人が多く、活気を呈していた。

 一軒一軒のお店屋さんを覗くのも、凄く楽しい。
彼女も私も、二人とも、猫への興味が深深なので、つい、可愛い小物に目が行ってしまう。
個性的なお店が多く、つい、店内に足を踏み入れてしまう。
店主の拘り有る、品揃えも見ていて飽きない。

「食」の方は・・・。 和食は勿論、イタリアン、フレンチと、かなり、良いお店が多いようだ。
お昼は、毘沙門天の前の、「だいこんや」。
名前の通り、大根の鳥ミソ餡かけが美味しかった。
湯葉やらお豆腐やらの小鉢が付いての海鮮丼定食が、何と、1000円。
男性の方には、ちょっと物足りない量かもしれないが、女性陣には文句言うことなし。
次のデザートの入る分を残しておかねばならないから・・・。(笑)

 JR、飯田橋の直ぐ際、お堀に面してる、「カナルカフェ」はリニューアル中で臨時休業。
直江先生の面影を探してのデザートは、桜の季節まで、お預けとなる。
ここの、お堀に面した桜の綺麗なこと。 有名な観光スポットにも負けない美しさだと、私は密かに思っている。(笑)

 「カナルカフェ」でのデザートは断念したが、この街には、まだまだ、名店がずらりと有る。
有名な「甘味処」で、抹茶寒を頂く。 口に広がる上品な小豆の甘さと、抹茶寒のほのかな苦味を愛でながら、至福の時を過ごす。
女性はこうも甘味が好きなんだ・・・と、感心するくらい、店内は女性オンリー。

 又、街をぶらつくも、そこかしこから、美味しそうな匂いが漂ってくる。
胃袋にはかなりの量が入っているにもかかわらず、まだ、食べられそうな感覚が。 脳の中枢神経が乱れ始めたか・・・。

 最後の締めくくりは、やはり、コーヒー。
「お代わりは半額です!」の言葉につられて・・・、勿論、お代わりを。
合計、5時間以上も喋ったのに、まだ、喋り足りない感じ。
お互いに藪用(?)で忙しくしている身。 来月、又会いましょうね〜と、約束をして散会となる。

 夜、「大根、蕗ミソで食べました。(ニコニコマーク)」
と、彼女からのメール。
わが家は、今朝、煮込でいる。(笑)
 久し振りに、箱根にドライブに行ってきた。
遠出の時は、主人はべらぼうに早く出発するから、お二階の若夫婦は、絶対に無理だろうと思っていたら・・・。
何と、私の支度が一番びりとなってしまった。
箱根の魅力は、早出も厭わないと言うことか。(笑)

 お正月の駅伝コースそのものを、ひたすら走る。
いつもなら渋滞にはまる大涌谷も、ほんの一足違いで、すいすいと快適な走りだ。
一個食べると7年長生きすると言う、「黒玉子」を賞味。 ちょっと、スモークの効いた湯で卵は家庭のと違って、乙な味だ。
地面のあちこちから噴出してる白い噴煙と硫黄の臭いが懐かしい。

「一箇所に5分以上留まると危険なのよ〜」
と、ガスを吸わないように移動する。 駐車場は見る見るうちに満杯となり、道路には空き待ちの長い車の列。
ほんの5分の差が、大事なのだ。

 風はひんやりと冷たいけれど、空気が澄んでいて、気持ちよい。
絵に描いたような真っ白な富士山は、美しすぎてため息が出るようだ。
山を覆っている雪の量が少なく、こんなところにも、「暖冬」の影響が出ている。

「箱根も昔に比べると、寂れてね〜」
と、始終来てる息子達は言うけれど、久し振りに見た湯本駅周辺の商店街は、観光客でごった返していた。
が、言われて見れば、往年の活気は少なくなったかも・・・。
車のお客が増えたし、日帰りで充分に楽しめるから、宿泊客が減少し、それでちょっと寂れたように見えたのかも知れない。

 息子達が小さかった頃は、毎年のように、連泊して、楽しんだものなのに。
ロマンスカーのことを、口が廻らなかった息子が、「マーカー」と、呼んでいた事も、つい、2〜3年前のような気がしてくる。

 その頃も、「黒玉子」は食べていたから、一体、何歳まで、寿命が延びることだろう・・・。(笑)

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