埋みの棘(うずみのとげ)・・・鎌倉河岸捕物控
2006年9月16日 読書 昨日の15日に書店に並んだばかりだから、ブックレビューの機能をクリックしても、表紙の映像が出てこない。
湯気の出るような新着の本なのに、もう、一晩で読み終えた。
しかも、ベルリンの妹へも航空便で即、発送。
そう、私達姉妹が今、一番愛読している作家、佐伯泰英氏の新刊なのだ。
今回で、鎌倉河岸シリーズも第10弾! 益々、若いトリオ、政次・亮吉・彦四郎の成長振りに目が離せない。
貧乏長屋に生まれ育った三人の子供達。一人は船宿の船頭に、一人は御用聞きの手下に、残る一人は呉服屋の手代に・・・と、道はそれぞれ違ってはいたけれど、三人の絆は固い。
このシリーズの柱とも言うべき、眉目秀麗、長身の政次という若者。
子供の頃から、目から鼻へ抜けるほどの頭の回転が早く、老舗の呉服屋の手代から、由緒ある金座裏の親分(御用聞き)の養子となり、10代目を継ぐことになる。
私は、第7弾の『下駄貫の死』で苦悩する政次が一番好きだ。
畑違いの場所から、一躍抜擢された政次。古くから居た人にとっては、己の所在を失うのでは・・・と、黒い塊も胸に抱くことだろう。
何処の世界にも、嫉妬・羨望は渦巻いている。現代の職場関係を思い浮かべても、それは容易に想像が付く。
今回の【埋みの棘】は、過去の、三人の子ども時代に遭遇した事件が発端となって、謎の刺客に襲い掛かられたことから話は進んでいく・・・。
『豊島屋』という、白酒で有名な店を溜まり場に、佐伯氏の筆はとどまることを知らない。
氏は一作を20日前後で仕上げるそうな。だからこその、連日の新作ラッシュなのだろう。
つい10日前にも、『密命シリーズ』の新刊【無刀】が出たばかりだ。
ちょっと、優等生気味なところは否めないが、政次という、若鮎のような若者を中心に、独楽鼠のような亮吉、心も体格も大きな彦四郎、マドンナ的存在のしほ(志穂)と、各キャラクターも充実し、安心して読み進められるのも嬉しいことだ。
自ら進路を決めた亮吉、彦四郎と違って、己が進んで決めた道では無い棘の道を、運命として受け入れ、成長していく政次を、つい、応援したくなってしまう。
我が息子がこのような立場に、境遇に・・・と、本を読んでいても、頭のどこかで息子と比較して見てしまうから、母親なんて可笑しなものだと自分で笑ってしまう。
角川書房から出ているこのシリーズ。浅野隆弘氏の装画も是非、見て欲しかった。淡い水彩画のようで、ほのぼのと暖かい画だ。
湯気の出るような新着の本なのに、もう、一晩で読み終えた。
しかも、ベルリンの妹へも航空便で即、発送。
そう、私達姉妹が今、一番愛読している作家、佐伯泰英氏の新刊なのだ。
今回で、鎌倉河岸シリーズも第10弾! 益々、若いトリオ、政次・亮吉・彦四郎の成長振りに目が離せない。
貧乏長屋に生まれ育った三人の子供達。一人は船宿の船頭に、一人は御用聞きの手下に、残る一人は呉服屋の手代に・・・と、道はそれぞれ違ってはいたけれど、三人の絆は固い。
このシリーズの柱とも言うべき、眉目秀麗、長身の政次という若者。
子供の頃から、目から鼻へ抜けるほどの頭の回転が早く、老舗の呉服屋の手代から、由緒ある金座裏の親分(御用聞き)の養子となり、10代目を継ぐことになる。
私は、第7弾の『下駄貫の死』で苦悩する政次が一番好きだ。
畑違いの場所から、一躍抜擢された政次。古くから居た人にとっては、己の所在を失うのでは・・・と、黒い塊も胸に抱くことだろう。
何処の世界にも、嫉妬・羨望は渦巻いている。現代の職場関係を思い浮かべても、それは容易に想像が付く。
今回の【埋みの棘】は、過去の、三人の子ども時代に遭遇した事件が発端となって、謎の刺客に襲い掛かられたことから話は進んでいく・・・。
『豊島屋』という、白酒で有名な店を溜まり場に、佐伯氏の筆はとどまることを知らない。
氏は一作を20日前後で仕上げるそうな。だからこその、連日の新作ラッシュなのだろう。
つい10日前にも、『密命シリーズ』の新刊【無刀】が出たばかりだ。
ちょっと、優等生気味なところは否めないが、政次という、若鮎のような若者を中心に、独楽鼠のような亮吉、心も体格も大きな彦四郎、マドンナ的存在のしほ(志穂)と、各キャラクターも充実し、安心して読み進められるのも嬉しいことだ。
自ら進路を決めた亮吉、彦四郎と違って、己が進んで決めた道では無い棘の道を、運命として受け入れ、成長していく政次を、つい、応援したくなってしまう。
我が息子がこのような立場に、境遇に・・・と、本を読んでいても、頭のどこかで息子と比較して見てしまうから、母親なんて可笑しなものだと自分で笑ってしまう。
角川書房から出ているこのシリーズ。浅野隆弘氏の装画も是非、見て欲しかった。淡い水彩画のようで、ほのぼのと暖かい画だ。
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