何の取り得も無い「普通のおばさん」の私だけれど、年に一回届く賀状の数は100枚を下らない。
主人と連名の知人のハガキも嬉しいけれど、私個人に宛てての賀状は、「自分史」を見てるようで、もっと嬉しいものだ。

小学校から始まって、各学校時代の友人達。
社会人になってからの、多彩な顔ぶれ。
きっかけは種々雑多だけれど、皆、かけがえの無い愛しい友人達だ。
私の大きな財産だと感じている。


「今年で定年になりました。 時間が出来ましたので、今年こそ、お会いしたいです!」

「孫5人に囲まれて賑やかなお正月でした。 ちょっと、膝が痛くて・・・」

「昨年は、イタリア、スペインに旅行しました」

「英会話、ピアノ、楽しんでます!」

「朗読、続けてくださいね!」

「SMAPのコンサートには、まだ行ってますか? 私はV6のコンサートに行ってきました」


一枚一枚、はがきの中の文面にその人の面影を探りながら、食い入るように眺める。
その中の一枚に・・・、


   「二年前に倒れてしまいました。
    以前の健康な体とは、まだ程遠く
    日々、リハビリにはげんでおります」

と言うハガキを見つけた。

遠い昔、憎からず想っていた人だ。
彼には、違う想い人が居たので、何も告げず身を引いた。
卒業後、何年か経って、彼の口から聞いた思いがけない言葉。

「付き合ってくれ!」

その時、取った私の行動は、今、考えても可笑しなものだ。
突然のことで、頭の中が真っ白になってしまい、ただ、大声で笑うしかなかったのだ。

「きっと、笑うと思ったよ!」

私の行動など、お見通しと言わんばかりの彼の態度だった。

その後、日比谷線の車内で、ちらっと見かけたのが最後。
以後は、年に一回の賀状交換のみであった。
年に一度のハガキから、奥様の名前も知ったし、住所は昔のままだと言うことも分かった。
そして、今年のあの文面。

何年かぶりに、彼のことが思い出された。
と言っても、40年も前の電車の中で別れた時の、彼の姿しか思い浮かばない。
病に倒れ、リハビリに励んでる姿など、どう思い浮かべたらいいのだろう・・・。

書体の綺麗な、筆の立つ人だった。
相変わらず、涼やかな美しい書体ではあったが、思いなしか、ところどころ乱れてる感じを受けた。

病気見舞いのお電話なら、奥様も許してくださるだろう・・・と、思い切って電話の前に立った。
おかしなことに、指先が震えて、ボタンが旨くプッシュできない。(笑)
こんなに胸がドキドキ、高鳴るなんて・・・、何年ぶりのことだろう。
還暦を過ぎたこの婆に、まだ、瑞々しい感性が残っていたことに、自分でもちょっと驚いている。

覚悟を決めて、電話を掛けたのに・・・、お留守のようであった。
意を決して、病気を知らなくて失礼をした・・・と言う、お見舞いのメッセージを残した。
が、半日経っても折り返しの電話は無い。
私のメッセージを、どんな気持ちで聞いたのだろうか・・・。


久し振りの、ちょっと胸キュン!ドキドキ・・・の話である。(苦笑)

コメント

みさと
2009年1月8日14:32

胸キュン☆な甘酸っぱいお話ですね^^
私、男性に初めて想いを伝えたのは中学1年の時、『電話で』でした。
指は震え、最後の番号の『5』が押せずに何回もかけ直し・・・。
そんな事を思い出してしまいました^^;

今、私がその彼に電話をしてもドキドキだと思います^^

アミ
2009年1月8日18:15

☆みさとさん!

ドキドキ、共感してくださって有難う~♪
嬉しいです。
いくつになっても、胸の高鳴りってあるものだと分かりました。(笑)
女性ですもの。 そうありたいですよね~。

せきやん
2009年1月9日6:22

ありがとうございます。
パソコンのバッテリーが故障してて
作業が上手く出来ませんのでいずれご挨拶にあがります。
よろしくお願いいたします。

アミ
2009年1月9日6:45

☆せきやんさん!

ご丁寧に、恐れ入ります。
PCには全く疎い婆ですが、お若い皆様の活力を頂いて、毎日、元気にしています。
能天気で、前向きな考え方だけが、私の取り得(?)と言えましょうか。

せきやんさんのお花の話。とても面白かったです。
私は、椿と山茶花の区別も出来ずに、主人に笑われています。
最近は、紛らわしい新種が多すぎます。

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