退職したら、スケッチブックを持って、絵を描きに行きたいと言う。
私と違って「絵心」のある主人だから、描きたい気持ちが湧いてきたのだろう。
散歩方々、駅の近くの「文具店」へ出かけた。

「東急☆☆ズ」とか「☆沢や」とか、大型の文具店は別として、最近は街に文具店が無くなった。
昔は、小学校の隣には必ずと言っていいほど文具店があったものなのに・・・。
子どもにとっては、大手を振って入れるお店で、ちょっとした子どもの社交場(?)であった。

わが町の駅の傍に昔からの文具店がある。
狭い店内には、所狭しと品々が置かれ、脚の踏み場も無い状態だ。
でも、大抵の品ならば此処で間に合うと言うこと、私は過去の経験で知っていた。

当然、初めての主人は驚き、不快感をあらわにした。
目的の品々が見えてこないからだ。

「訊けばいいのに・・・」

「うるさい! ウロウロすればその内、見つかるよ!」

訊くことを余り良しとしない主人だから、私の言うことなど、耳に貸さない。
その内、店主のお母さんと思しき老婦人が、小声で囁く。

「あの棚の後ろ。 ご主人には、尋ねたと言わずに教えなさいよ!」

「有難うございます」

それにしても、老婦人のお見通しには恐れ入る。
にっこり笑った私に、

「何処の殿方も、皆同じよ! 大変ね!」

と、これまた、にっこり笑って応えてくれた。

「此処にあるよ!」

と言う声に、嬉しそうな主人。

しばらく居るうちに、

「面白い文具類があるよ。 こんなに狭いのに、大した品揃えだ」

と、興奮気味だ。
カッターと紙を持たしたら、社内でも評判の器用な人。
私以上に文具類が大好きなのだ。

小学校の新入生のように、スケッチブック、鉛筆、消しゴム、カッターを揃え、ワクワクしている。
本当のことを言えば、鉛筆も消しゴムもカッターも、机の引き出しにはゴロゴロしている。
それでも、総額1.500円程度で、子どものように喜んで居る主人の出鼻をくじくことはしたくなかった。

外では亭主関白を装っているようだけど、家では・・・。
まぁ~、あのおばあちゃまが見通したような人だから、よしとするか!(笑)

今朝、主人は1週間ぶりに出勤した。

果たして、【辞表】の行方は如何に・・・?!

コメント

まひる
まひる
2009年4月16日18:15

なんだかほほえましいです。
外では「関白殿下」であっても、実はアミさんの掌の上で転がされているんですねー。
でも、そこを気づかせないアミさん(&文房具店主の奥様)が、また素敵ですね♪

アミ
2009年4月16日18:37

☆まひるさん!

褒め言葉って、心に響きますね~♪(笑)
有難う!
私も何だかんだ言っても、主人の掌の上で威張らせてもらってるのです。
だから、お相子! 家計は全て私が握ってますが、元をただせば主人の稼ぎです。
主人って、本当に無欲な人で助かります。(笑)

今日、【定額給付金】の青い封筒が我が家に送られて着ました。
でも、これって、家長(所帯主)の口座に一括入金なんですね~。
家計費の穴埋めに消えそうです・・・。(トホホ・・・)

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