「本当に楽しい夏休みだったわ~♪」

と、何度も何度も言いながら、三日間の弟宅での滞在を締めくくった姉。
日ごろ、一人暮らしの姉の日常とはかけ離れた我が家の賑わいに、姉は興奮気味に、

「こんなにお喋りしたのは何年ぶりかしら・・・」

「ご飯も、皆と一緒だと箸が進むのね~」

「明日からは、また、通常モードに切り替えなくては・・・」

と、嬉しそうに、寂しそうにつぶやく。


私は、主人と結婚以来、この姉とは12年間、一緒に暮らした。
いわゆる、「小姑」であったこの姉には、ちょっとは苦い思いも多だあった。
姑が必要以上に嫁の私を労わった理由は、大半はこの姉が原因だったのだ。

が、久しぶりに寝食(?)を共にした姉は、別人かと思うほど、丸くなり、老いていた。
その老いはびっくりするほどだ。
若い頃から、バリバリと仕事をこなし、会社ではアイドル的存在だった姉。
親子ほども年齢がかけ離れている弟には、傲慢とも思える態度で、常に威張っていた姉。
が、80才を過ぎた姉からは、微塵もそんな気配は感じられず、常にニコニコと皆を暖かく包み込む。

「猫と☆☆ちゃん(ひめのこと)、連れて帰りたい!」

と言うほど、諸々癒されたらしく、

「楽しい夏休みを有難う~♪」

と、何度も言うのには、こちらがかえって恐縮してしまうほどだ。

小食の姉が一人増えたところで、なんら家事は大変ではないけれど、驚くほどの姉の老いに、神経を使った。

「よく寝れました~?」

と、何度も訊いたが、

「ぐっすり、眠れたわ! 昔の家みたい・・・」

我が家で、唯一、お金をかけた(?)猫部屋と和式の客間だから、姉のねぎらいは嬉しかった。
建て替えて、家は替わっているけれど、庭の樹木は姉が育った頃となんら替わっていない。
銀杏の大木も、松の木も、モチの木も紅葉も・・・。

「ひめ」の愛らしさに、猫の可愛さに、姉の頬は緩みっぱなし。

「何でも好きなことに使ってね!」

と、下さったお小遣いで、早速、自転車を購入。
日ごろ、配る側に回った私が、本当に久しぶりに与えられる側に回ったことが嬉しくて・・・。
戸惑いながらも、ありがたく、頂戴した。
今日、主人と試乗会(?)に出かける。

それにしても、姉の衰えには胸がふさがれる。
ほんの10分ほどの距離の散歩も、30分以上かけて歩かねばならないほど、足の衰えはひどい。

息子夫婦に車で送られて、

「今、着いたわ。 有難う!」

と、元気な声で電話をしてきたが、これからは、ますます、目が離せなくなるだろうと思った。

自分の足の痛いのなど、嘆いている時では無いかもしれない・・・。

コメント

おんぷ
2009年8月16日8:03

おはようございます! いつもにぎやかなアミ家いいですね~~♪
小姑さんとの苦い思い出を流し、大きな気持ちで迎い入れるアミさんには
教えられるものがあります。
私もそんな風になりたいなって、、ちょっとだけ両親や姑に優しい言葉を
かけてみました。

アミ
2009年8月16日13:36

☆ぴのあさん!

お互いに、年月が人を成長させてくれたのでしょうか・・・。
姉は、驚くほど丸~るくなっていました。
私も、久しぶりに甘える人が出来て嬉しかったです。
姉からのプレゼントの自転車。 シルバーブルーのピッカッピカ~♪
るんるんで、乗りますよ~。(笑)

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