父が亡くなり、実家が消滅してから3年の月日が流れた。
父の再婚相手(義母?)は49日の法要も済ませぬうちに、何処かへ引っ越して行った。
もちろん、私たち姉妹弟には連絡先を教えるでもなく・・・。
私たちも、知りたいとも思わないが・・・。

実家の「祭祀継承者」は妹になった。
いつの間にか、私たちの育った家には、父とは別の表札が掛けられてあった。
父が再婚した時点で、今日のことは想像できたことなのに、何の手も打たなかった私たちの甘さを友人からは責められた・・・。

父は、手先の器用な人だったので、工具類はプロ並に持っていた。
特に、「鎌倉彫」はちょっとしたセミプロ級で、個展らしきものも開いていたようだった。
父は、息子の弟より、婿である主人を可愛がり、それらの工具類を託した。
数々の道具を前に、手仕事の好きな主人は嬉しそうだった。

その主人が、なにやら、トンカントンカンやりだした。
婚家先の仏壇に入れるのは、ちょっとはばかれると思い、無造作に自室の本棚の上に置かれた実家の両親の位牌を入れる箱(厨子?)を作っているのだ。

心のよりどころとして、毎日、手を合わせ、語りかけている大事な位牌なのに、余りにも粗末に扱いすぎていた。(苦笑)
化粧水やヘアースプレーの壜などが一緒くたに置かれている棚だから・・・。

主人は、自分の手仕事の作品第一号に、厨子を選んだのだ。
もう、70%近く、出来上がった。
素人の出来にしては、上々で、父母も喜んでくれるだろう。
扉には、私の好きな小菊まで彫ってある。
漆まがいのスプレーで、黒く仕上げると張り切っている。

父は、実の息子でなく、婿の主人に、同じ匂い(?)を感じたのではないか・・・。
お位牌の収められた厨子。
ありがたくて、涙がこぼれる・・・。

コメント

coffee
2009年9月13日16:20

胸が熱くなる出来事ですね。。。 素敵なご主人だわ(^^)  

みっちぃ
2009年9月13日19:49

本当に素敵な話ですね。物を作り出す人に尊敬と、憧れを感じているので、そんなご主人をお持ちのアミさんが羨ましいです。ご主人さまもお父様を好きでいたんだろうなー。

Mimi
2009年9月13日20:16

私も、胸がじーんとしてしまいました。ご主人、アミさんを、心から大事にしていらっしゃっているのがわかります。
先日も、ご一緒に出かけられたお買い物の帰り道の、温かい優しい雰囲気が伝わって来て、素敵だなあって思っていたところです。(ホーム・センターからの帰り道、観泉寺からの鐘の音が聞こえた時のこと。もしかしたら、あの時、材料を買いに出かけられたのかしら?)

アミ
2009年9月13日21:51

★coffeeさん!

60歳を過ぎて、バーコードの頭髪になっちゃいましたが、素敵(?)な主人です。(笑)
素人の作品にしては本当に上出来なものですよ。
今日も、内部に張る金色の和紙を買いに行きました。
文房具屋さんより、「ねじめ」のような民芸店に置いてあるんですね。
明日は、いよいよ、色塗りです。 楽しみ~♪

アミ
2009年9月13日21:56

★みっちぃさん!

父にはかないませんが、主人も器用な人です。
お台所のゴミ箱を入れる棚もお手製です。 材料は、古い本棚の廃材です。
材木さえあれば、なんでも作ってやる・・・と息巻いてます。(笑)

晩年、自分で運転をしなくなった父を乗せて、主人がドライブに連れ出してくれました。
親孝行が少しは出来たのでは・・・と、主人の優しさに私も嬉しかったです。

アミ
2009年9月13日22:03

★Mimiさん!

ピンポン! 当たりです!
井草八幡の前に、「ホーム★ック」と言う、ホームセンターがあるんです。
女性が手芸屋さんで目を輝かせるのと同じように、男性はホームセンターが好きですね~。
ちょっとした建材も置いてあるんです。 セメントまであるんですよ。
一日居ても飽きないと、主人は喜んでます。
そこから我が家まで、自転車で20分くらいでしょうか。
観泉寺の竹林も見事ですよ~♪
自転車は、車とは違った面白みがあります。
これからが良い季節。 楽しみたいです!

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