イタリア各地の片田舎の、人知れず紡がれる人生の物語。
三上博史さんの柔らかなナレーションで始まるこのドキュメント番組が、
このところの我が家の一押しだ。
一時間ほどの番組に、大抵は二家族ほどの人生模様が話される。

昨晩は、トリノに近い北イタリアの小さな村のパン屋さん姉妹の話だった。
寒村に育った仲良し姉妹。
半世紀も経ってるのに、妹を残してお嫁に行ったときの悲しみを、姉は目に涙を浮かべて語るのだ。

姉の縁で、姉の夫の知り合いと結婚し、パン屋さんになった妹。
村での皆の拠り所となる大事なパン屋さんだ。
棚には、村人のリクエストの品々が載っていて、ちょっとした乾物屋さんも兼ねている。
朝4時前からパンの仕込みにかかる夫。
直径2センチくらいの棒のパンを何百個も焼く。
メロンパンのような筋目の入った大きなパンも焼く。
ただし、丸パンやフランスパンのようなものはあるが、見たところ、いわゆる食パンの類は無かった。

姉も手伝って、皆で生地を丸め、夫が手際よく釜に入れて焼く。
沢山焼いても、村の皆は大量に買っていくから、棚はすぐにがら空きとなる。

今の夫と結婚してなければパン屋さんにはならなかった。
違う職業についていたかも・・・と、明るい妹は話す。
パン焼き職人の夫と一緒になったのだから、自分はそれを手伝うだけだと。
可愛い孫たちに囲まれて、店のお客と楽しそうにおしゃべりをし、幸せに満ち足りた満足げな顔だ。

前回は、村の小さな「リストランテ」の女主人の話。
82歳の鉄細工職人の悲恋(?)の話もあった。

皆、イタリアの名も無い小さな村での物語り。
決して裕福な暮らしでは無いのに、皆、ゆったりと素敵に日々を過ごしている。

姉の夫は、ミラノで車関係の営業マンをしていたが、今は、村に戻ってきて樵業を生業としている。 
今で言うUターン組だ。
姉夫婦が村に戻ってきた縁で、パン屋の夫と知り合った妹。
半世紀以上、同じような穏やかな時間が綿々と流れているようだ。

ある日の、姉宅でのお昼の献立は・・・

・瑞々しいほうれん草とチーズとくるみのサラダ
・トマトベースのソースを掛けたパスタ
勿論、妹のパン屋さんのパンも。
そして、ワイン。
あちらでは水代わりのようなものなのだろう。

イタリア各地の村をピンポイントで紹介していく番組。
人生の過ごし方について、ちょっと考えさせられてしまう番組だ。

最近、BSやCSの番組が面白くて、地上波はニュース以外、とんとご無沙汰だ。(笑)

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