初冬のキャンパス

2011年12月16日エッセイコメント (2)

主人と義姉と3人で、【江戸幕府と天海僧正】の講座を、目白にある大学で受講してきた。

今は、【江戸】ブーム（？）のようで、かなり、人気が高いらしく、受講者も多かったのだろう。
普段使用してる場所から、急遽、大学構内の北1号館の教室に変更になった。
お陰で、初冬のキャンパス内を堂々と散策しながら、教室に行くことが出来た。

キャンパスと言っても、都心のど真ん中にある大学ゆえ、それほどの広さは無いのだけれど、綺麗に色づいた木々と洒落た建物は、一幅の絵のようだった。
戦時中に学生だった義姉（84歳）は、華やかに笑い転げる学生達の姿を、羨ましそうに眺めていた。

「いいわね～♪　こんな環境で勉強できて・・・。
　私の頃は、空襲警報の下で逃げ回っていたか、軍需工場で働かされていたか・・・だった」

と、足元に落ちていた真っ赤な桜の葉を拾った。
目の覚めるように紅葉した葉は、虫食いがあったけれど、義姉は大事そうにバックに仕舞った。

講義のほうは、ちょっと肩透かしの感は否めない。（笑）
講師の先生は、浄土宗の現役の僧侶でもあり、某大学の教授でもあり、50年以上、天海を研究し続けてきた方だ。
が、余りにも、学問的で、硬かったのが残念だった。
古文書や書簡を読み解き、独自の天海の研究をしてきた方だ。

「明智光秀と天海は関係あるのでしょうか・・・」

などと言う世俗的なことなどは、お認めにならない学者だから、ミーハーの私には、ちょっと面白くない講義だったかも・・・。（苦笑）
それでも、

「俺は寝てるから・・・」

と、教室の一番後ろの隅に陣取った主人も、結局は、目を開けていたのだから、まんざらの内容ではなかったのだろう。
次回は、【寛永寺と家光】だそうで、ちょっと魅力的なテーマなので、受講するかどうか迷うところだ。（笑）

足元の明るいうちに・・・と、義姉は元気に帰って行った。
義姉に対して無口な主人も、元気な姉の姿は嬉しかったようだった。

駅構内のパン屋さんで、アップルパイを購入。
酸味の利いたパイは口当たりもよく、美味しかった。

「有難う♪　楽しい一日だったわ」

と言う、義姉の電話。
ちょっと疲れたけれど、何か、嬉しい疲労感だ。
義理の姉との付き合いも40年を超える。
いろいろ確執もあったけれど、こうして仲良く老後を迎えられ、なにやら、酸味の効いたパイみたい・・・。（笑）

来週は、義妹（弟のお嫁ちゃん）が遊びに来ると言う。
血こそ繋がっていないけれど、皆、何十年と縁があった人たちだ。

「1人」じゃないんだ・・・と、妙に嬉しい一日だった。