二世帯住宅という選択
2015年7月19日 エッセイ コメント (3)
その家は、築７０年は経っている昭和の家だった。
玄関を入ると廊下が座敷を囲み、三方に伸びていた。
玄関脇には、戦前には珍しい洋風の部屋もあった。
台所は北側に面し、冷たく寒かった。
新婚夫婦には二階が増築されたが、お風呂はもちろん、トイレもなかった。
だから、息子夫婦から結婚話が出たとき、すぐに、二世帯住宅を選択した。
古い家は、メンテナンスの面で、莫大なお金が常にかかって馬鹿馬鹿しかった。
だから、この際、建て直そうと言う話も出てたのだ。
１階を老夫婦と次男坊。
２階が長男夫婦。
勿論、お風呂もキッチンもトイレも個別にした。
自分が経験した不便なことは、息子夫婦にはさせたくなかった。
総面積、１５０へーべの家だが、何もかも二つと言うのは、二軒、家を建てるほどの金額だった。
その後、次男坊が結婚し、家を出て行った。
今は、親子４人で暮らしているけれど、二世帯住宅を選択したことを、ちょっと後悔している。
この連休中、息子夫婦はお嫁ちゃんの実家に泊まりに行った。
今、広い家には、老夫婦二人のみ。（猫３匹は居るけれど・・・）
この快適な家にも、後、何年、暮らせるか・・・。
最近、体の調子が悪い時など、あとのことを考えることが多くなってきた。
庭の木々も、池も、息子たちには関心が薄い。
荷物は、処分できるだろうが、家はどうなる・・・。
昔のように、長男だけが取得できる時代ではない。
次男にも、半分権利があるはずだ。
ましてや、長男に子供がおらず、次男のところにかわいい孫が二人、居るとなると・・・。
体を休めるために寝ていても、余計な心配事が頭を占めている。(笑)
コメント
どんなに心砕いても誰の目から見ても公平なんて事は
絶対に無いから、、、。兄弟仲良く分けるのよ、、、、は無理よね。
子供が無いからその点気が楽、私が先だと少しの物でも連れ合いの
親戚に行くのか、、、、？それはいかん！悩むほどの物は無いくせにと言われそう。
たいして無くても、先祖の残してくれた土地だから。
息子たちに、何とか渡したいと思ってます。
尤も、日本の法律は結局、国庫金に還元されていく仕組みだそうで、外国とは相続税の意味が違うそうです。 外国は、相続税なんて、あったかな・・・。
親は、どの子も平等…なんて思ってはいるけれど、そこは人間！
その日の気分によって、可愛さが揺れます！！(笑)
僕らは岳母の建てた「おフル」に住んでますが床がボコボコしてきてネコのせいで障子や襖はお化け屋敷のようになっています。
あるならあるで困るし、ないならないで困るのが財産なのかもしれませんね。（かくいう僕にはそういうものは今のところなにもない！）