(小説とは関係ございません! 挿絵をお借りしたくて…)

親子ほど、年齢の違う友人がいる。
17年前に、発声法の勉強の為に、某プロダクション主催の会に3か月ほど通ったことがある。
総勢、わずか12人足らず。
マンツーマン方式の授業は厳しかった。
それでも、後年、14~5年もの間、対面朗読を続けていられたのも、ここでの基礎があったからだろう。

その中で、その若き友人は、群を抜いた成績で、回りを圧倒していた。
劣等生の私など、近寄り難き人だし、彼女の周りは、光り輝いていた。
勿論、気楽にお喋りを楽しむなんて間柄でもなかった。

ある日、その彼女が、私に話しかけてきた。
なんでも、彼女のおばあさまが危篤とかで、早くに帰りたいので、早い私の個人レッスンの時間と遅い自分の時間を変わってほしいと言う頼みだった。
私も、あまり、遅くなると、バスが無くなるし、家族にも心配をかけるから…と、思ったが、あまりにも、彼女の真摯な態度に、

「いいわよ!」

と、快諾した。
後日、丁寧なお礼の言葉と共に、彼女との信頼関係は始まった。

ご主人の勤務の関係で、一時、東京を離れた彼女だったが、今は、又、東京に戻り、交誼は復活した。
不妊治療の末に、やっと生まれた一粒種の女の子。
小さかった女の子も、今年、中学2年生になったとか…。
その彼女が、今、荒れだして、母親を困らせているそうな。
友人のおなかの中にいるころから知っている彼女が、母親を心療内科にまで通わせるほどの悩みの種になったとは…。

生後半年で、父親の背負い籠に入れられて、親子3人、我が家を訪ねてくれたこともあった。
友人の家に私が遊びに行くと、小さな手で、スリッパを揃えてくれた可愛い女の子。
お雛祭りの時の着物姿の晴れやかな女の子。
そんな可愛かった女の子が、荒れているなんて・・・。

久しぶりの友人からの手紙は、書体が乱れていて、彼女らしからぬ手跡だった。
私に、何か、出来ることはあるだろうか。
親や担任の先生や、回りの大人からは、嫌と言うほど、小言を聞かされ、中学生の彼女も鬱々としているに違いない。
母親の年の離れた友人としては、何が出来るだろう…。
美味しいものを食べに連れ出し、母親とのなれそめを話そうか…。
世話は焼きたいけれど、昔の人のように、うまくいかない・・・。

もどかしいことだ!

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