1年3か月の入院生活を終えて、従姉のご夫君が亡くなった。
苦しむことなく、安らかな旅立ちだった。
享年87歳。 最後まで、意識ははっきりと、病院内でも常に目立つ明るい人だった。

まぁ~、そう言っては身も蓋もないが、いい潮時だったと思う。
従姉の体力も、財力も、底が見えていたから・・・。
家族としては、寂しさはあるものの、反面、ほっとしたことも事実。
看病は、きれいごとだけでは済まされない…と、他人ごとではなかった。

家族葬でひっそりやりたいから、その前に顔だけでも見に来てほしい…との知らせで、主人と、駆け付けた。
従姉は一人娘で、姉妹は居ない。
その所為か知らないが、私を妹のように可愛がってくれて、何かと連絡はマメだった。

従姉のご夫君は、穏やかな顔で、大好きな祭りの法被を掛けられた布団で、横たわっていた。
入院中、片時も離さなかった黒の熊のぬいぐるみが微笑ましかった。
別の部屋ではご夫君の親族(兄弟)が会議中。
従姉は、その輪に入ることもなく、成人した息子たちに任せているようだ。

従姉の息子は、慎ましく、家族だけで葬儀をしたい希望だが、地域の慣習や親族がそれを拒んでる様子。
そのうえ、亡くなる人が多いのか、火葬場も満員状態で、通夜・告別式は五日後とのこと。
亡くなるのも、一苦労だ…と、笑い事ではなかった。

夜、こういう時でないと、話題にできない葬儀の話を息子夫婦とした。

「こじんまりと家族だけで送ってね!」

と言う、われわれ老夫婦の考えに対し、

「残された者は、そういうわけにはいかないんです!」

と、お嫁ちゃんは、かなり強硬に異論をはさむ。

「無駄なお金は使わなくていいのよ! 後々、お金は要るんだから…」

葬儀って、なんなんだろう。
今まで、数えきれないほどの葬儀に参列してきたが、心に残る式は、ほんの一握りだ。
悔いの残らないように、生前に話し合っておかなければ・・・。

でも、難しい!!

コメント

nophoto
Abi
2015年12月10日13:55

我が家は二人、お互い葬儀には出来るだけお金をかけない、
人様にも迷惑をかけないをモットーにしています。そろそろ
葬儀に備えて互助会などに入ろうかと、、、おたおたしているときに
葬儀社の言いなりになるのが恐ろしいので、、、きっぱり方針を
言えるようにならねばと心しています。お経も要らない、戒名
なんぞも要らない、それこそ身内だけでと思っています。
葬儀は残った者より本人の意向が重視されるべきだと、、、。

涼女
2015年12月10日16:14

私の近所でも「家族葬で行いました」と事後報告の回覧が回ることが増えました。
だから余計に向かいの家が「非:家族葬」なのが目立ったので知識人に聞いたところ
「息子さんが 現役(役職有) だと、その人の立場もあるから」と言う回答でした。
子どもは遠方、夫婦二人暮らしだと「質素に」というより「極秘に」状態が多い(汗)
ですが、同居だとそういうわけにもいかないそうです。
残された者がどこまで世間に対して「見栄」を張るかで葬儀の形も変わる模様。
お嫁さんの強固な意見はこれがベースにあるのでは?ご参考までに。

ねこって
2015年12月10日17:41

もちろん逝く方のご意向に沿うのが一番だと思います、ですのでしっかりと伝えておくのはよいことだと思います、が・・・
葬式や法事事、お墓ごとというのは残された人間が「亡くなったということを納得するための儀式」でもあるように思えてなりません。
派手に送ってあげることで、「ここまでしてあげたんだから」と無理やり悲しみを昇華させようとする人もあるわけで、だから「簡素にお金をかけない」ばかりがよいのでもないのかも・・・と義父母を見ていてそう思いました。

ちなみにいろいろと私の意向などまったく無視されましたがまぁゴタゴタするよりはいいか、という気持ちで三回忌を終えました。波風立たぬが一番、というのが私の重大要素なのです(^_^;

雪月花
雪月花
2015年12月10日18:52

アミさん、今晩は。

葬式の在り方や、ちょっとアミさんの書かれた趣旨とは違いますが
葬儀社との対応など、父の葬儀を終えて、いろいろ勉強になりました。
まず家も家族葬で行いましたが、とはいえ仲の良い付き合いの深いお叔母たちには参加してもらいたく、そうではない親族には遠慮してもらいたい、その采配が面倒でした。

葬儀社は、互助会に入っていてしかも「家族葬でこじんまり」と言ったにも関わらず
基本の内容からグレードアップした物を、言葉巧みに勧めてきました。
魔法の言葉は「みなさんこれくらいなさっています」
急変だったので、当日決めになったのですが、事前見積もり、内覧会に顔を出さなかったことを、とても後悔しました。
互助会に入っていたのに、130万越えです!(もちろんお寺様の分は別です)
同じくらいに亡くなったお友達のお身内は、(別の葬儀社ですが)50万で済んだと言ってました。
皆さま気をつけて!と自分のダイアリーに書こうかと思っていたくらい(笑)
母の分もまだ互助会が残っているのですが、葬儀社の違いは大きいと思い
明日、あさってと葬儀社巡りです(たまたま、内覧会が重なったのですが)
(老人)施設と葬儀社は足を使って損はない、というか使わないと、との思いを強くしました。
長々と失礼しました。

ありす
2015年12月11日6:56

父の葬儀は身内と、近所の人たちだけでひっそりとしたら、年賀状欠礼のハガキが届いた瞬間からお悔やみの電話、お線香上げさせて〜、が続々。
その都度の接待が大変だったので友達関係くらいは連絡するんだったかな、と思いました。
お葬式って、見栄とか義理とかじゃなく、ご挨拶の儀式だと思いました。
生前お世話になったり、お付き合い頂いた方にお礼を言って送って頂く。
全く知らせないでこっそり、と言うのは相手にすれば、後から聞いてなんだか寂しい気持ちになられる場合もあるようです。

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