一人暮らしの知人がいる。
昔、会社で、主人も私も、一緒だった人だ。
お母様に続いて、昨年、お父様を亡くされた。
特に、主人とは仲が良くて、「もう、三日も喋っていない!」などと、電話をしてくる。
このところ、風邪を引いたらしく、会社を欠勤している。

「あいつ、けんちん汁を作ってるらしいぜ!」

と、主人が報告してくる。

「家も、作ろうか・・・」

と言うことになり、急遽、冷蔵庫の中のものでけんちん作りを。
「けんちん汁」は私が小学校の4年生の時、家庭科で初めて作った料理だ。
野菜の切り方から、けんちん汁のいわれから、色々教わった思い出の料理だ。
主人には、まさに、「おふくろの味」。
目を細めて食べていた。
だが、おもむろに言い出した。

「昔の奴と、なんか、違う。 コクが無いのかな・・・。」

冷蔵庫の中のあり合わせで作ったから、牛蒡が入ってなかった。
お豆腐も、木綿でなく絹だし・・・。
それでも、丁寧に作ったし、サトイモもねっとりとしてておいしいし、大根も人参も、油揚げ、シイタケ、皆入っている。

「ごぼうが無かったからね~。 それで、コクが無いのかな・・・」

私は、新婚旅行から帰宅して、すぐに両親、姉姑との生活が始まった。
お勝手は勿論、現役バリバリの姑が仕切り、嫁の私は、メモを渡されて買い物に行くくらい。
呑気なお嫁さんだった。
そんな姑の得意料理の一つが「けんちん汁」だった。
主人にとっては、それこそがおふくろの味だ。
50年近く一緒に居る女房でも敵わない味なのだ。

それでも、大なべいっぱい作ったけんちん汁は、見事に無くなった。(笑)

コメント

まるこ
2017年3月24日9:16

お袋の味。正に強敵ですね。なかなか超えられない。もしかしたら永遠に超えれない味なのかのしれませんね。きっとアミさんの息子さんにとってはアミさんのお料理がお袋の味になってるんでしょうね〜(*^_^*)
家の夫は18歳で一人暮らし始めて、そのまま私と結婚しました。時々義母が夫にお料理を持って遊びに来る事があります。義母は喜ぶだろうと腕を振ってくれているのですが、夫は「ん?これ、あんまり好きじゃないよ。兄貴の好みの味じゃない!!そもそも俺こんなの食べた事無いし」などと罰当たりな事を言います。すっかりお袋の味を忘れたのでしょうね。と言っても私の料理を褒める訳でも無く。それはそれで淋しいですね。お鍋いっぱいのけんちん汁完食なさるご主人。アミさんのお料理は第2のお袋の味なんでしょうね。

アミ
2017年3月24日9:37

まるこさん!

同じ息子でも、兄と弟では好みも違います。
我が家では、「おふくろの味」は弟のほうが覚えているみたい・・・。
兄は、普段、今でも私の料理を食べてるくせに、美味しいとは口に出さず。
可愛くない子です!(笑)

都わすれ
2017年3月24日12:39

アミさん、「けんちん汁」出前お願いします♪(笑)
コンビニ食も便利なのですが、ふつうのごはんが食べたいです。

アミ
2017年3月24日13:38

都わすれさん!

うふふ~♬
私、このところ、出前、しています。
ご近所の方で、昨年、ご主人を亡くされてお独りに。
帯状疱疹にかかってしまい、外出もままならぬ様子。
牡蠣の新しいのが手に入ったので、フライをお裾分け。
油物はなさらないとかで、すごく喜ばれました。
どうせ、大食漢の老夫婦。
多めに作りますから、独り分を取り除くことなど、お茶の子さいさい。(笑)
ボランティアしています。
白いご飯にちょっとした副菜と汁物。
やはり、美味しいですね~。

手の骨折、私も経験者。
お大事になさってください!

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

日記内を検索