私は、子供のころは、父べったりの「父親っ子」だった。
だんだん、大きくなって、父の仕事も忙しくなり、会話も弾まなくなった。
後年、父が入院した時、車いすに乗った父を押しながら、いろいろな話ができた。
もっと早くに、たくさん、会話を持てばよかった…と後悔した。
父は、幼少のころは、乳母日傘で育ったお坊ちゃまだったそうな。(^^♪
それが、父親（私の祖父）が飲んだくれで、身上をつぶし、家族のことは、まだ
小さかった長男の父にかぶさってきたそうだ。
父は、中学を中退し、親戚筋に奉公に出た。
親戚だから…と言って、同輩からは白い目で見られるし、辛い小僧時代だったそうだ。
大正時代の話。
今の平和な時代からは想像もつかない話だ。
父の負けず魂の根性は、その時、培われたものだ。
親戚筋の母と結婚し、独立してからは、時代の流れ（朝鮮動乱とか）に乗って、
順調な船出をしたようだ。
母は、子供のころ生母を亡くし、成人前に父親を亡くし…。
家族の縁に恵まれなかった人だ。
娘の私が言うのもなんだけれど、苦労してたから、なんでも、自分一人でこなして
しまう。
私から見たら、スーパーウーマンのような人だった…。!(^^)!
そんな父と母だから、商売は順調に進んだ。
若い父にしてみれば、仕事は面白く、バラ色に輝いていたに違いない。
が、世の中、えてして、好事魔が差す…ではないけれど、母が倒れた。
店は、母の頑張りで持っていたようなもの。
会社組織にしてからは、商売は軌道に乗ったけれど、母は、生きがいを奪われ、
益々、病人になってしまった。
弟が成人したとき、後継者になるべく、従業員と一緒に、トラックの助手席に乗って、
仕事を覚え始めたけれど、軟な弟には数か月も持たなかった。
結局、後継者もいないまま、父は仕事を閉じた。
会社組織を終了するまで、３年の月日を要した。
息子が大きくなった時、父と一緒にお酒を酌み交わしながら、
「お前が、あと３年早く、大きくなっていたならな…」
と、悔しそうに述懐したそうな。
娘に婿殿を迎え、継がせる手もあったのに…。
不肖な私たち姉妹は、父の夢をかなえることは無かった…。
主人は、よい人だけれど、父に比べると、今一、男として力強さに欠けるところがある。
父のように、自分が家長として、皆を引っ張っていかねば…と言う迫力が乏しい
のだろう…。
父に向って、
「ゴメンね！ 私たちも、一生懸命生きているんだけれど、お父さんやお母さんに
してもらったようには、子供たちにできない！ 情けないね！」
と、自戒気味に言うと、
「時代が違うよ！」
と、父は、いつもその一言を言うだけで、黙ってしまう。
時代、時代か…。
泉下の父が見たら、あの頃より、もっと、時代は変化していて、呆れているかも
しれない。
だんだん、大きくなって、父の仕事も忙しくなり、会話も弾まなくなった。
後年、父が入院した時、車いすに乗った父を押しながら、いろいろな話ができた。
もっと早くに、たくさん、会話を持てばよかった…と後悔した。
父は、幼少のころは、乳母日傘で育ったお坊ちゃまだったそうな。(^^♪
それが、父親（私の祖父）が飲んだくれで、身上をつぶし、家族のことは、まだ
小さかった長男の父にかぶさってきたそうだ。
父は、中学を中退し、親戚筋に奉公に出た。
親戚だから…と言って、同輩からは白い目で見られるし、辛い小僧時代だったそうだ。
大正時代の話。
今の平和な時代からは想像もつかない話だ。
父の負けず魂の根性は、その時、培われたものだ。
親戚筋の母と結婚し、独立してからは、時代の流れ（朝鮮動乱とか）に乗って、
順調な船出をしたようだ。
母は、子供のころ生母を亡くし、成人前に父親を亡くし…。
家族の縁に恵まれなかった人だ。
娘の私が言うのもなんだけれど、苦労してたから、なんでも、自分一人でこなして
しまう。
私から見たら、スーパーウーマンのような人だった…。!(^^)!
そんな父と母だから、商売は順調に進んだ。
若い父にしてみれば、仕事は面白く、バラ色に輝いていたに違いない。
が、世の中、えてして、好事魔が差す…ではないけれど、母が倒れた。
店は、母の頑張りで持っていたようなもの。
会社組織にしてからは、商売は軌道に乗ったけれど、母は、生きがいを奪われ、
益々、病人になってしまった。
弟が成人したとき、後継者になるべく、従業員と一緒に、トラックの助手席に乗って、
仕事を覚え始めたけれど、軟な弟には数か月も持たなかった。
結局、後継者もいないまま、父は仕事を閉じた。
会社組織を終了するまで、３年の月日を要した。
息子が大きくなった時、父と一緒にお酒を酌み交わしながら、
「お前が、あと３年早く、大きくなっていたならな…」
と、悔しそうに述懐したそうな。
娘に婿殿を迎え、継がせる手もあったのに…。
不肖な私たち姉妹は、父の夢をかなえることは無かった…。
主人は、よい人だけれど、父に比べると、今一、男として力強さに欠けるところがある。
父のように、自分が家長として、皆を引っ張っていかねば…と言う迫力が乏しい
のだろう…。
父に向って、
「ゴメンね！ 私たちも、一生懸命生きているんだけれど、お父さんやお母さんに
してもらったようには、子供たちにできない！ 情けないね！」
と、自戒気味に言うと、
「時代が違うよ！」
と、父は、いつもその一言を言うだけで、黙ってしまう。
時代、時代か…。
泉下の父が見たら、あの頃より、もっと、時代は変化していて、呆れているかも
しれない。
コメント
どこの家にもそれぞれ歴史がありますね。私の祖母や祖父、父や母にも、それぞれの人生のストーリーがあります。それぞれの人生、その数だけストーリーがあるのでしょうね。私も嫁いで、父が仕事を退いてからは、あれこれ話す機会がありました。もっと早くから話せたら良かったと思いますが、それには私も父もまだその歳ではなかったのかもしれません。きっとアミさんもその歳になったからお父様とお話し出来たのかも知れないですね。でもそんな機会に恵まれて良かったですね。
時代が違う。そうなんですね。祖父母や両親が現役で頑張っていた時代と今では随分価値観も仕組みも変わりました。今まさにコロナ禍ですが、これを機会にまた時代がグンと変わる気がしています。時代の流れは早く激しくキツいですが、そんな中でも、脈々と受け継いだこの身体と命を大事に生きれたら良いなと思う今日この頃です。
アミさんのなさりよう。お母様もお父様も目を細めて褒めていらっしゃいますよ。
まぁ～、なんてお優しいの❣ だから、娘はいいわね！(笑)
時代が違う…。 そうなのよね～。 このコロナ禍で、もっと時代は違ってくるでしょうね～。
それでも、人の心の中のやさしさ。 これだけは不偏であってほしいと思います。
優しさが、大きな尺度になれば…。 日本も良くなるはず。
そうなって欲しいです！
早世されたお母様に対する思い、羨ましいですよ。母親が高齢になり過ぎると、若かった頃と比べ寂しさ、悲しさを感じます。
私も父の通院の付き添いの時、ずっとしゃべってましたよ。意外と元気な時より
親の方が弱ってからの方が素直に話せるってね（苦笑）
同じね～。 父が病気になってからのほうが会う機会も頻繁だったし、おしゃべりも、多かった。
なんででしょうね～。(笑)
父には、アメリカ映画の面白さも教えられたし…。
お酒のおつまみのおいしさ（私は下戸なのに…）も教わったし…。
母同様、思い出話がたくさんあります❣